技術・人文知識・国際業務ビザにおける「雇用理由書」の重要性と書き方について

技術・人文知識・国際業務ビザ(通称「技人国ビザ」)の申請において、必須書類の一つが「雇用理由書」です。これは実際には任意書類であるにもかかわらず、ビザ取得の成功に大きく関わる重要な書類です。本記事では、雇用理由書の目的や書き方のポイントについて詳しく解説します。

雇用理由書の役割とは

雇用理由書は、申請者(外国人)が希望する在留資格に該当する理由や、なぜその在留資格が必要なのかを入管の審査官に対して詳しく説明する書類です。申請にあたっては、雇用理由書が審査のキモとなり、外国人のビザ申請が許可されるかどうかを左右します。そのため、雇用理由書の内容は慎重に作成する必要があります。

雇用理由書の基本構成

雇用理由書は大きく分けて以下の5つのセクションで構成するのが効果的です。

  1. 申請人(外国人)の概要
  2. 会社概要
  3. 担当業務と雇用の必要性
  4. 申請人の経歴と評価
  5. 結語

それぞれのセクションについて、どのように記載すればよいかを見ていきましょう。

1. 申請人(外国人)の概要

このセクションでは、申請者の基本情報を提供します。具体的には以下の内容を含めます。

  • 名前、国籍、現在の職業
  • 学歴(特に大学名、専攻など)
  • 職歴(特に関連する業界や職種)

特に技術・人文知識・国際業務ビザの場合、申請者が持つ専門的なスキルや知識が、申請するビザの要件にどのように合致するかを明示することが重要です。

2. 会社概要

会社概要のセクションでは、雇用先企業について詳細に説明します。具体的には以下の項目を記載します。

  • 設立年月日:会社の設立の歴史を示します。
  • 資本金:企業の規模や経済的基盤を示すための重要な情報です。
  • 業種:会社がどの業界に属するかを明記します。
  • 遍歴:会社の過去の成績や実績について触れます。
  • 将来性:会社の今後の成長性やビジョンについて説明します。

企業のカテゴリーによっては、特に事業の安定性や将来性について詳細に説明する必要があります。たとえば、カテゴリー1(上場企業)以外では、企業の安定性や将来性に関する詳細な記述が求められます。

3. 担当業務と雇用の必要性

ここでは、外国人が入社後に担当する業務について詳しく説明します。

  • 業務内容:雇用する外国人がどのような業務を担当するのかを具体的に記載します。
  • 業務の専門性:技術・人文知識・国際業務ビザでは単純労働は認められていないため、業務が専門的な知識や技術を必要とするものであることを強調します。
  • 学歴・経験との関連性:申請者の学歴や職歴が担当業務にどのように活かされるのかを示します。大学等で専攻した科目と業務の関連性も具体的に記載すると良いでしょう。

4. 申請人の経歴と評価

申請者の経歴やこれまでの業務評価について説明します。

  • 経歴:申請者の過去の職歴や業務経験を詳しく説明します。
  • 評価:申請者の業務に対する評価や、これまでの成果についても触れます。雇用先企業での評価が高いことを示すことで、採用の正当性をアピールします。

5. 結語

結語では、雇用理由書全体を締めくくるとともに、申請の重要性や必要性を再度強調します。

  • まとめ:申請者の雇用がどのように企業にとって重要であり、ビザ取得がどのように企業の目標達成に貢献するかを再度述べます。
  • お願い:ビザの申請がスムーズに進むよう、入管審査官への協力をお願いする一文を加えます。

まとめ

雇用理由書は、技術・人文知識・国際業務ビザの申請において、申請者のビザ取得を成功させるために極めて重要な書類です。審査官に対して申請者の雇用がどのように企業に貢献するのか、なぜその在留資格が必要なのかを丁寧に説明することで、ビザ取得の可能性を高めることができます。

雇用理由書の作成についてお悩みの方は、ぜひ幣事務所までご相談ください。申請プロセスをサポートし、ビザ取得に向けた最適なアドバイスを提供いたします。

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