建設業許可の業種追加にかかる期間と費用目安はどれくらいか?

建設業の幅を広げるために欠かせない「業種追加」。
しかし、実際に申請を検討すると「どれくらい時間がかかる?」「費用はいくらくらい?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、業種追加にかかる期間・費用の目安について、東京都江東区・沖縄県那覇市の方向けにわかりやすく解説します。
スケジュール感を正しく把握し、スムーズな申請を目指しましょう。


目次

1. 業種追加にかかる期間の目安

まず、業種追加に要する期間は、次の流れで進みます。

(1)申請準備期間(約1か月~2か月)

書類を揃える準備期間として、1か月から2か月程度を見ておくのが一般的です。

【準備に時間がかかる主なポイント】

  • 経営業務管理責任者(経管)や専任技術者の資格・経験証明
  • 実務経験証明書類(工事契約書、注文書、請書など)の収集
  • 経理状況(財務諸表や預金残高証明)の確認
  • 法人登記簿謄本、定款、納税証明書などの取得

特に、実務経験証明が必要な場合は、5年以上の工事実績を示すため、複数年分の契約書や請求書などを集める必要があります。
「古い書類が見つからない」「書式が不完全」というケースも多く、思ったより時間がかかることもあります。

(2)申請から許可までの審査期間(約1か月~2か月)

各都道府県の建設業許可担当窓口に申請してから、審査・許可が下りるまでにかかる期間は、約30日~60日程度です。

審査期間は地域差もありますが、

  • 東京都(江東区を含む):申請から概ね45日前後
  • 沖縄県(那覇市を含む):申請から概ね40日前後 が標準的な目安となっています。

ただし、申請内容に不備があったり、追加資料の提出を求められたりすると、さらに1~2週間程度の遅れが出ることもあります。


【まとめ】業種追加にかかる総期間

申請準備 1~2か月 + 審査期間 1~2か月
トータル2~4か月

早くても2か月、余裕を見て3~4か月程度かかると考えておきましょう。

ポイント
急ぎたい場合は、早めに必要書類の確認を始め、漏れなく整えることが何より重要です。


2. 業種追加にかかる費用の目安

業種追加にかかる費用は、大きく次の2つに分かれます。

(1)法定手数料

業種追加を行うときは、行政に支払う法定手数料がかかります。

【費用】

  • 知事許可(東京都・沖縄県など)の場合:5万円
  • 大臣許可(国土交通大臣許可)の場合:5万円

これは、追加する業種数にかかわらず、一律5万円です。
例えば、管工事業と電気工事業の2業種を同時に追加しても、手数料は5万円で済みます。

(2)専門家への依頼費用(行政書士報酬)

自社で申請することも可能ですが、多くの事業者様は行政書士などの専門家に依頼されています。

【行政書士への報酬費用目安】

  • 知事許可の業種追加:8万円~15万円前後
  • 大臣許可の業種追加:15万円~25万円前後

依頼する専門家によって差はありますが、一般的にはこの範囲内に収まることが多いです。

報酬費用に含まれるもの:

  • 必要書類の作成・チェック
  • 実務経験証明の整理支援
  • 窓口への事前相談・申請代理
  • 追加資料の対応
  • 許可証の受領・送付手続き

※ただし、業種の数が多かったり、実務経験証明が複雑だったりする場合は、追加費用が発生することもあります。


【まとめ】業種追加にかかる費用の合計イメージ

例えば東京都知事許可で業種追加する場合、

内訳費用
法定手数料5万円
行政書士報酬10万円(例)
合計約15万円前後

というイメージになります。

なお、自社で全て申請する場合は、法定手数料の5万円のみで済みますが、手続き負担や時間的コストを考えると、専門家に依頼するメリットも大きいでしょう。


3. 業種追加で想定しておきたい「追加コスト」

業種追加を行うと、許可自体にかかる費用だけでなく、以下のような「副次的コスト」も発生する場合があります。

(1)専任技術者の採用・育成費用

追加業種に対応するために、新たに資格者を採用したり、既存社員を資格取得に向けて育成したりする場合、その人件費・教育費が発生します。

【例】

  • 配管工事を追加するために管工事施工管理技士を新たに雇う
  • 塗装工事業を追加するために社員に施工管理技士受験を支援する

(2)社会保険加入要件の強化

建設業許可では、社会保険(健康保険・厚生年金・労災保険)の加入が厳しくチェックされます。
業種追加により、加入状況が再審査される場合もあるため、不備があれば是正が求められます。

これにより、会社のランニングコストが増加する可能性も考慮しておきましょう。

(3)許可更新時の費用増加

業種が増えると、許可更新時の手続きボリュームが増えるため、更新費用(専門家報酬など)が高くなる傾向があります。
長期的なコストプランを立てておくことが大切です。


4. 期間短縮のためにできること

業種追加の期間を短縮するために、事前にできる準備をまとめました。

  • 必要書類リストを早めに確認する
  • 経管・専任技術者の要件を早めに満たす
  • 実務経験証明書類(契約書・請求書など)を整理する
  • 財務諸表や納税証明書を早めに取得する
  • 専門家に早めに相談してスケジュールを立てる

特に「実務経験証明」は不備が出やすいので、重点的に準備しておきましょう。


まとめ

建設業許可の業種追加にかかる期間と費用は、以下の通りです。

  • 期間:申請準備+審査で2~4か月程度
  • 費用:法定手数料5万円+専門家報酬8~25万円程度
  • 想定すべき追加コスト:人材採用・社会保険強化・更新費用増加

江東区や那覇市といった都市部では、業種追加によって受注の幅が広がるチャンスが豊富にあります。
ただし、計画的な準備と正確な手続きを心がけ、スムーズな許可取得を目指しましょう。

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