【実録】「うちは無許可でやってる」で済まされない!建設業法違反で役所の調査が入った話

今回は、東京都江東区や沖縄県那覇市で建設業を営んでいる事業者様に向けて、「建設業許可を持っていないことが原因で、行政からの調査を受けた実例」についてお話しします。

「うちは昔からの付き合いで仕事をもらってるし、今さら建設業許可なんていらないよ」
「500万円未満の小さな工事しかやってないから大丈夫」
そう思っている方、もしかしたら非常に危険な状態かもしれません。


目次

1.実際にあった!無許可営業で行政から調査が入ったケース

ある日、長年無許可で営業してきた建設業者に、地域の建設業監督部署から1本の電話が入りました。
「建設業法違反の疑いがありますので、業務内容について調査をさせていただきます」

このような調査は、突然やってきます。
しかも、行政から指摘が入る時点で“何らかの情報”を行政が掴んでいるケースがほとんどです。


「昔からやってるから大丈夫」は通用しない

この事業者は、昔からの地元のつながりを活かし、親戚や知人、紹介ベースで仕事を受けていました。
工事の規模もそれほど大きくなく、「建設業許可なんて不要だろう」と軽く考えていたようです。
実際、これまで問題が起きたことはなく、安定的に仕事が回っていました。

しかし、現代は“法令遵守(コンプライアンス)”が当たり前の時代。
建設業法の監督部署(地域によって「土木部」「建設業課」「都市整備部」など名称は異なります)は、定期的に業者への監督調査を実施しています。
この監督調査では、営業所の状況、請負工事の契約内容、従業員の体制など、さまざまな観点から「建設業法に違反していないか」を確認します。


2.なぜ調査の対象になったのか?

行政の調査は、以下のようなルートから情報を得て動くことがあります。

  • 地元住民や他業者からの通報
  • 工事現場に掲示された看板情報
  • インターネットやSNSの投稿
  • 工事実績データの突合
  • 元請業者からの内部通報

今回のケースでも、どうやらある元請業者の提出資料の中に、「無許可業者が下請けとして工事に関わっていた」ことが明記されていたようで、それが発端となって調査に至ったとのことでした。


3.建設業許可を持たずに営業しているとどうなるか?

建設業法では、以下のように定められています。

1件あたりの請負代金(消費税を含む)が500万円以上の工事(建築一式工事の場合は1,500万円以上)を請け負うには、建設業許可が必要です。

これに違反して営業していた場合、以下のような処分を受けることがあります:

違反の程度対応内容
軽微な違反(形式的、初回)口頭での指導・注意
中度の違反(継続的な違反、虚偽報告)文書による指導・指示
悪質な違反(度重なる違反、重大な虚偽)業務停止命令・刑事罰・新聞報道など

4.今回のケースの結果

この建設業者は、過去数年の業務実績を調査された結果、
「直近では建設業許可を要する規模の工事を請け負っていなかった」
という事情があり、最終的には“口頭での指導”という軽い対応で済みました。

しかし、担当官からは強くこう言われたそうです。

「今後、1件でも500万円を超える工事を受注した場合、明確な建設業法違反となり、次は厳しく処分せざるを得ない。許可の取得を強く推奨します。」

この言葉を受けて、その事業者は建設業許可の取得を決意し、当事務所が申請手続きのお手伝いをさせていただきました。


5.行政の目は確実に厳しくなっている

数年前までは、多少のグレーゾーンが見逃されていた場面もありました。
しかし、最近は行政の監視体制が全国的に強化されており、「知らなかった」では済まされない時代になっています。

建設業に関しては、以下のような社会背景もあります。

  • 建設業界の高齢化・人材不足
  • 安全管理の強化
  • 災害対策における信頼性確保
  • 公共工事の透明性維持
  • 反社会勢力の排除(コンプライアンス強化)

こうした状況の中、「許可のある事業者だけが信頼できる」と評価される傾向がより強くなっています。


6.建設業許可を取得するメリット

  • 信用力の向上

許可業者として名簿に登録されるため、顧客や元請けからの信頼が上がります。

受注できる案件の幅が広がる

500万円以上の工事を合法的に請け負うことができるようになります。

入札参加や公共工事への参入が可能に

許可があることで、官公庁案件や大型民間工事にも挑戦できます。

将来のトラブル回避

万が一行政の調査が入ったとしても、許可を持っていれば問題になることはありません。


7.許可取得のためにやるべきこと

建設業許可を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 経営業務の管理責任者がいること(5年以上の実務経験など)
  2. 専任技術者がいること(国家資格者や実務経験者など)
  3. 誠実性があること(過去に処分歴などがないか)
  4. 財産的基礎があること(自己資本500万円以上など)
  5. 適切な営業所があること

これらの要件をクリアできるかどうかの確認は、専門家に依頼するのが一番確実です。
自社では判断が難しい場合も多いため、まずは無料相談を活用してください。


まとめ 無許可営業は今すぐ見直しを!

無許可での建設業営業は、行政処分や刑事罰のリスクがあるだけでなく、信用・取引先・将来のチャンスすべてを失う危険性を孕んでいます。
「うちは大丈夫」は、最も危ない思い込みです。

特に、江東区や那覇市のような都市部では行政の目も厳しく、調査対象になりやすい地域です。

少しでも不安がある方は、この機会に建設業許可について真剣に向き合ってみてください。

目次