建設業許可に必要な「各種証明書」の取得方法まとめ~スムーズな申請のために押さえるべき実務知識~

建設業許可申請においては、「証明書類の準備」が大きなハードルとなります。必要な情報が役所や旧勤務先、学校など複数の場所に分散しており、「どこで何をどう請求すればいいのか分からない」という声もよく聞かれます。

本記事では、東京都江東区や沖縄県那覇市で建設業許可を目指す方に向けて申請時に必要となる代表的な証明書類の取得方法を、目的別に詳しく解説します。

目次

1.経営業務管理責任者関連の証明書

【必要な証明書】

  • 在籍証明書(元勤務先)
  • 役員就任期間の証明書(履歴事項全部証明書)
  • 確定申告書控(個人事業主の場合)

【取得方法】

在籍証明書

元勤務先に「在籍期間」「役職」「業務内容」が明記された証明書を発行してもらいます。依頼文書を用意して正式に依頼するのが望ましいです。

注意点

  • 会社が倒産・廃業している場合は、元役員の陳述書や、工事契約書・見積書・請求書など複数の証拠資料を組み合わせて代替します。

履歴事項全部証明書

登記されている法人の「登記簿謄本」を取得します。

  • 取得先:法務局(登記所)
  • 取得方法:
    • 窓口:最寄りの登記所に出向く
    • オンライン:法務省「登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)」を利用
  • 手数料:600円程度(窓口)、500円(オンライン)

確定申告書控

個人事業主としての経営経験を証明するには、税務署に提出済の確定申告書の控え(収受印付き)が必要です。

  • 取得先:税務署
  • 方法:控えの再発行はできませんが、「開示請求(写し交付請求)」を行えば、申告書の内容を確認することができます。

2.専任技術者関連の証明書

【必要な証明書】

  • 資格証明書(免状・合格証書)
  • 実務経験証明書
  • 卒業証明書・履修証明書(学歴要件の場合)
  • 年金加入記録または雇用保険記録(勤務期間確認)

【取得方法】

国家資格証明書(建築士、施工管理技士など)

  • 取得先:各資格を管轄する団体(例:建築士→都道府県建築士会、施工管理技士→建設業振興基金など)
  • 紛失している場合:「再交付申請」を行うことが可能です。各団体の公式HPに書式があります。

実務経験証明書

  • 作成者:元勤務先の上司、役員等
  • 内容:実務内容、期間、従事の有無などを明記
  • 書式:行政庁が指定する「実務経験証明書」様式を使用

注意点
・証明者の記名押印が必要です。
・勤務先が廃業している場合には、注文書や請求書等で補強します。

卒業証明書

  • 取得先:卒業した高校・大学等の学校
  • 方法:
    • 直接電話やWEB申込(多くの学校が郵送受付)
    • 必要書類:申請書、本人確認書類(運転免許証など)、手数料(200~500円)、返信用封筒

履修証明書(指定学科確認用)

  • 取得先:卒業校の教務課など
  • 注意点:学校により「履修科目証明書」「成績証明書」など名称が異なります。建設業法の「指定学科」に該当するか確認するために必要です。

年金記録・雇用保険の加入記録

  • 取得先:日本年金機構・ハローワーク
  • 方法:
    • 年金記録:年金事務所にて「被保険者記録照会回答票」
    • 雇用保険:ハローワークにて「雇用保険被保険者証」または「被保険者期間確認通知書」

3.法人の基礎資料に関する証明書

【必要な証明書】

  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 定款
  • 納税証明書(法人税その1・その2)

【取得方法】

登記簿謄本

前述の通り、法務局またはオンラインで取得可能。

定款

法人設立時に公証人の認証を受けたもの。以下いずれかで準備します。

  • 法務局で登記書類閲覧申請(写し取得)
  • 法人の代表者が控えを保管していればその写しを利用

納税証明書(その1・その2)

  • 取得先:所轄税務署
  • 用途:
    • その1:申告所得金額の証明
    • その2:未納税額の証明
  • 方法:窓口申請または郵送申請(税務署HPに書式あり)
  • 必要書類:申請書、身分証明書、印鑑、手数料(1通400円)

4.営業所の存在証明に関する書類

【必要な証明書・資料】

  • 建物の賃貸借契約書または登記事項証明書(自社所有の場合)
  • 現地写真(外観、看板、室内、机・電話機など)
  • 固定電話の請求書・設置証明
  • 所在地図(インターネット地図や略図)

【取得方法と注意点】

  • 賃貸物件の場合、契約書に「事務所使用可能」や「法人契約」である旨が記載されていることが望ましい。
  • 写真は日付入りで撮影し、建物の外観・社名プレート・事務所内部(机・椅子・ファイル棚)など「常時稼働していること」が分かるようにしましょう。

5.財産的基礎の確認資料

【必要な書類】

  • 貸借対照表・損益計算書(直近の決算書)
  • 銀行残高証明書(500万円以上)
  • 融資承認書(金融機関の融資可能証明)

【取得方法】

決算書

法人の場合は顧問税理士が作成していることが多いですが、自己作成している場合もあります。行政庁へ提出するためには、帳簿が整っていることが前提です。

銀行残高証明書

  • 取得先:取引銀行
  • 方法:本人が窓口で申請(事前に要予約の場合あり)
  • 手数料:1,100円前後(銀行により異なる)

融資承認書

  • 取得先:取引金融機関
  • 名称例:「融資証明書」「借入可能証明書」「資金調達能力証明書」など
  • 銀行の支店長レベルの判断が必要となることもあるため、早めの相談が望ましいです。

6.まとめ 証明書の収集は「早めの行動」が鍵

建設業許可の取得を検討しているなら、まずは「何の証明書が必要か」を把握し、時間のかかる書類から優先的に動くことが鉄則です。

とくに旧勤務先・学校関係・金融機関などは、1~2週間以上かかる場合があります。また、証明内容に不備があった場合の再取得も考慮に入れて、余裕を持ったスケジュールで申請準備を進めることが重要です。

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