
建設業許可申請においては、「証明書類の準備」が大きなハードルとなります。必要な情報が役所や旧勤務先、学校など複数の場所に分散しており、「どこで何をどう請求すればいいのか分からない」という声もよく聞かれます。
本記事では、東京都江東区や沖縄県那覇市で建設業許可を目指す方に向けて、申請時に必要となる代表的な証明書類の取得方法を、目的別に詳しく解説します。
1.経営業務管理責任者関連の証明書
【必要な証明書】
- 在籍証明書(元勤務先)
- 役員就任期間の証明書(履歴事項全部証明書)
- 確定申告書控(個人事業主の場合)
【取得方法】
●在籍証明書
元勤務先に「在籍期間」「役職」「業務内容」が明記された証明書を発行してもらいます。依頼文書を用意して正式に依頼するのが望ましいです。
注意点
- 会社が倒産・廃業している場合は、元役員の陳述書や、工事契約書・見積書・請求書など複数の証拠資料を組み合わせて代替します。
●履歴事項全部証明書
登記されている法人の「登記簿謄本」を取得します。
- 取得先:法務局(登記所)
- 取得方法:
- 窓口:最寄りの登記所に出向く
- オンライン:法務省「登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)」を利用
- 手数料:600円程度(窓口)、500円(オンライン)
●確定申告書控
個人事業主としての経営経験を証明するには、税務署に提出済の確定申告書の控え(収受印付き)が必要です。
- 取得先:税務署
- 方法:控えの再発行はできませんが、「開示請求(写し交付請求)」を行えば、申告書の内容を確認することができます。
2.専任技術者関連の証明書
【必要な証明書】
- 資格証明書(免状・合格証書)
- 実務経験証明書
- 卒業証明書・履修証明書(学歴要件の場合)
- 年金加入記録または雇用保険記録(勤務期間確認)
【取得方法】
●国家資格証明書(建築士、施工管理技士など)
- 取得先:各資格を管轄する団体(例:建築士→都道府県建築士会、施工管理技士→建設業振興基金など)
- 紛失している場合:「再交付申請」を行うことが可能です。各団体の公式HPに書式があります。
●実務経験証明書
- 作成者:元勤務先の上司、役員等
- 内容:実務内容、期間、従事の有無などを明記
- 書式:行政庁が指定する「実務経験証明書」様式を使用
注意点
・証明者の記名押印が必要です。
・勤務先が廃業している場合には、注文書や請求書等で補強します。
●卒業証明書
- 取得先:卒業した高校・大学等の学校
- 方法:
- 直接電話やWEB申込(多くの学校が郵送受付)
- 必要書類:申請書、本人確認書類(運転免許証など)、手数料(200~500円)、返信用封筒
●履修証明書(指定学科確認用)
- 取得先:卒業校の教務課など
- 注意点:学校により「履修科目証明書」「成績証明書」など名称が異なります。建設業法の「指定学科」に該当するか確認するために必要です。
●年金記録・雇用保険の加入記録
- 取得先:日本年金機構・ハローワーク
- 方法:
- 年金記録:年金事務所にて「被保険者記録照会回答票」
- 雇用保険:ハローワークにて「雇用保険被保険者証」または「被保険者期間確認通知書」
3.法人の基礎資料に関する証明書
【必要な証明書】
- 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 定款
- 納税証明書(法人税その1・その2)
【取得方法】
●登記簿謄本
前述の通り、法務局またはオンラインで取得可能。
●定款
法人設立時に公証人の認証を受けたもの。以下いずれかで準備します。
- 法務局で登記書類閲覧申請(写し取得)
- 法人の代表者が控えを保管していればその写しを利用
●納税証明書(その1・その2)
- 取得先:所轄税務署
- 用途:
- その1:申告所得金額の証明
- その2:未納税額の証明
- 方法:窓口申請または郵送申請(税務署HPに書式あり)
- 必要書類:申請書、身分証明書、印鑑、手数料(1通400円)
4.営業所の存在証明に関する書類
【必要な証明書・資料】
- 建物の賃貸借契約書または登記事項証明書(自社所有の場合)
- 現地写真(外観、看板、室内、机・電話機など)
- 固定電話の請求書・設置証明
- 所在地図(インターネット地図や略図)
【取得方法と注意点】
- 賃貸物件の場合、契約書に「事務所使用可能」や「法人契約」である旨が記載されていることが望ましい。
- 写真は日付入りで撮影し、建物の外観・社名プレート・事務所内部(机・椅子・ファイル棚)など「常時稼働していること」が分かるようにしましょう。
5.財産的基礎の確認資料
【必要な書類】
- 貸借対照表・損益計算書(直近の決算書)
- 銀行残高証明書(500万円以上)
- 融資承認書(金融機関の融資可能証明)
【取得方法】
●決算書
法人の場合は顧問税理士が作成していることが多いですが、自己作成している場合もあります。行政庁へ提出するためには、帳簿が整っていることが前提です。
●銀行残高証明書
- 取得先:取引銀行
- 方法:本人が窓口で申請(事前に要予約の場合あり)
- 手数料:1,100円前後(銀行により異なる)
●融資承認書
- 取得先:取引金融機関
- 名称例:「融資証明書」「借入可能証明書」「資金調達能力証明書」など
- 銀行の支店長レベルの判断が必要となることもあるため、早めの相談が望ましいです。
6.まとめ 証明書の収集は「早めの行動」が鍵
建設業許可の取得を検討しているなら、まずは「何の証明書が必要か」を把握し、時間のかかる書類から優先的に動くことが鉄則です。
とくに旧勤務先・学校関係・金融機関などは、1~2週間以上かかる場合があります。また、証明内容に不備があった場合の再取得も考慮に入れて、余裕を持ったスケジュールで申請準備を進めることが重要です。