建設業許可申請に必要な営業所写真の撮り方~申請がスムーズに通る撮影ポイントと注意点~

建設業許可の申請において、「営業所の実在性」を証明することは非常に重要です。そのため、営業所の外観・内部の写真を提出するよう各都道府県の行政庁から求められています。

この記事では、建設業許可をスムーズに取得するために、どのように営業所の写真を撮影すべきか、実務でのポイントやNG例も交えて詳しくご紹介します。特に東京都江東区や沖縄県那覇市で申請を考えている方の参考になる内容です。

目次

1.なぜ営業所の写真が必要なのか?

建設業許可では、「営業所」が単なる名義上の場所ではなく、実体のある拠点であることを証明する必要があります。

営業所の定義は以下のとおりです。

  • 常時、建設業の業務を行う事務所であること
  • 専任技術者や経営業務管理責任者が常勤できる環境が整っていること
  • 他の用途(自宅、店舗、倉庫など)との区別が明確であること

これを裏付けるために、写真で「場所・設備・使用状況」が判断できる資料として活用されるのです。

2.撮影が必要な写真の種類(最低限4~5枚)

申請窓口により指示が異なることがありますが、以下は共通して求められる写真の代表例です。

(1)建物の外観写真(正面から)

  • 建物全体がわかるように、少し離れた位置から全景を撮る
  • 看板や社名プレートがある場合は写るようにする
  • 他のテナントと同居している場合は、自社の入居区画が判別できるようにする

※ビルの一角に入っている場合は、ビル名と住所表示が確認できるように

(2)建物入り口の写真(会社名表示がある場合)

  • 入口付近の写真で、会社名や表札、ドアプレートが見えるように
  • 貼り紙などで社名を掲示している場合も、はっきり読めるように撮影

※「会社名が外からわからない」場合は、追加で表札の拡大写真を添付

(3)事務所内の写真(全体)

  • 机、椅子、電話、パソコン、ファイル棚など通常業務に必要な設備がそろっていることが分かる写真
  • スペースの広さや使い方が分かるよう、複数の角度から撮影

※専任技術者や事務職員が日常的に業務しているイメージが伝わることが大切

(4)固定電話機の設置状況

  • 固定電話(ビジネスフォンやFAX付きでも可)を設置している様子の写真
  • コードがつながっていて、使用可能な状態であることを示す
  • 固定電話番号が申請書と一致していることが望ましい

(5)会社名がわかる書類や掲示物

  • 名刺、業務日報、業務案内など、事務所内に会社名が明示されている書類
  • ホワイトボードやファイル棚に貼られた会社名のラベルなどでもよい

3.よくあるNG写真とその理由

申請が却下されたり、補正の対象になったりする写真の例を以下に示します。

外観写真が不明瞭

  • 夜間に撮影したため、建物が暗くて見えない
  • 被写体が近すぎて全体が分からない
  • 他のテナントとの区別がつかない

→ 対策:昼間に自然光の下で、看板や表札も含めた正面写真を撮影

事務所内が生活空間と見なされる

  • ソファ、冷蔵庫、ベッドなどが写っている
  • 洗濯物や家族の写真が壁に飾られている

→ 対策:生活臭を感じさせるものは片付けて、業務用の空間として整える

固定電話が未設置、またはコードレス子機だけ

→ 対策:親機があることがわかるように、親機の写真を撮る

撮影日が不明、申請書と一致しない

→ 対策:写真を撮影した日付を記録(Exif情報のあるカメラやスマホが有効)。必要であれば申請書にも記載。

4.写真の提出形式と保存について

写真の提出は紙かデータか?

  • 東京都(江東区含む):紙ベースでの提出が基本
  • 沖縄県(那覇市含む):紙提出が一般的。ただし事前に確認を

提出形式の例

  • A4用紙に写真を貼付して提出(1ページに2枚までが見やすい)
  • 写真の下に「外観」「事務所内部」などの説明文を添える

写真の保存も大切

万が一、許可後に営業所移転や更新がある場合、過去の営業所状況を証明するために、提出した写真はデータでも紙でも保存しておくことが望ましいです。

5.テレワーク・サテライトオフィス時代の留意点

近年はテレワークやサテライトオフィスで事業を営んでいる事業者も増えています。

しかし、建設業許可においては、

  • 常勤の専任技術者が勤務できる場所であること
  • 電話や机、資料等が常設され、いつでも業務が可能な状態であること

が必須とされています。

レンタルオフィスやバーチャルオフィスでは、許可が下りない可能性が高いため、事務所の形態に不安がある方は事前に申請窓口で相談することをおすすめします。

6.東京都江東区・沖縄県那覇市での実務上のポイント

東京都江東区の場合

  • 東京都建設業課は写真の明瞭さに厳格な傾向があるため、少しでも不鮮明な箇所があると補正の対象になりやすいです。
  • 撮影前に「営業所確認チェックシート」を使用すると安心です(都庁公式サイトからダウンロード可能)。

沖縄県那覇市の場合

  • 那覇市を含む沖縄県では、営業所が本当に業務に使われているかを確認するため、現地調査が入るケースもあります。
  • 写真に加え、光熱費の請求書、賃貸契約書などの添付も推奨されます。

7.まとめ 写真は「証明書類」だと認識して撮影を

営業所写真は、ただの「申請書の添付資料」ではなく、実在性と営業実態を証明する重要な書類の一部です。きちんと撮影し、明瞭な写真を添えることで、申請処理がスムーズになり、余計な補正や再提出のリスクを避けることができます。

特に初めての建設業許可を目指す場合は、提出書類全体の整合性が問われますので、営業所写真のクオリティにも十分注意を払って申請に臨みましょう。

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