国際結婚をした外国人配偶者が日本で合法的に滞在するためには、「日本人の配偶者等」の在留資格(通称:配偶者ビザ)が必要です。配偶者ビザの申請手続きは、外国人配偶者の現在の居住地によって異なります。本記事では、東京都江東区および沖縄県那覇市にお住まいの方々に向けて、具体的な申請方法や審査のポイントについて詳しく解説します。
1. 配偶者ビザの申請パターン
配偶者ビザの申請は、大きく分けて2つのケースがあります。
- ケース①:外国人配偶者が海外にいる場合(日本へ呼び寄せる)
- ケース②:外国人配偶者がすでに日本にいる場合(在留資格の変更)
それぞれの申請手続きを詳しく見ていきましょう。
2. ケース①:外国人配偶者が海外にいる場合(日本へ呼び寄せる)
(1) 国際結婚の出会いのパターン
外国人配偶者が海外に住んでいる場合、国際結婚のきっかけとして以下のようなケースが考えられます。
- 日本人が海外で仕事や留学をしていた際に知り合い、現地で結婚
- 国際結婚を目的とした結婚紹介所などを通じて結婚
このような場合、結婚しただけでは外国人配偶者に日本での滞在資格はありません。そのため、日本での長期滞在を希望する場合は、「在留資格認定証明書(COE: Certificate of Eligibility)」を取得し、日本に呼び寄せる必要があります。
(2) 申請の流れ
- 在留資格認定証明書の申請
- 日本人配偶者が居住地の出入国在留管理局(東京入管や那覇入管など)に「在留資格認定証明書」の申請を行う。
- 申請に必要な書類は後述します。
- 審査には1〜3ヶ月程度かかる。
- 在留資格認定証明書の受領
- 審査が通ると、出入国在留管理局から「在留資格認定証明書」が発行される。
- これを外国人配偶者に国際郵送する。
- 現地の日本大使館・領事館でビザ申請
- 外国人配偶者は在留資格認定証明書を持って、自国の日本大使館・領事館で**「日本人の配偶者等」ビザ**の申請を行う。
- 通常、数日から2週間ほどで査証(ビザ)が発給される。
- 日本へ入国
- ビザを取得した外国人配偶者は、日本の空港で入国審査を受け、在留カードを受け取る。
- これで正式に日本での配偶者ビザによる滞在が可能となる。
3. ケース②:外国人配偶者がすでに日本にいる場合(在留資格の変更)
外国人配偶者がすでに日本で何らかの在留資格(例:留学ビザ、就労ビザなど)を持っている場合は、「在留資格変更許可申請」を行い、配偶者ビザへ変更する必要があります。
(1) 申請の流れ
- 在留資格変更許可申請
- 出入国在留管理局(東京入管、那覇入管など)に「在留資格変更許可申請」を提出する。
- 必要書類は後述。
- 審査期間
- 通常、1〜3ヶ月ほど。
- 許可されると在留カードが新しい在留資格(「日本人の配偶者等」)に更新される。
- 在留期間の決定
- 初回の在留期間は通常1年となる。
- その後の更新で、結婚生活の安定性が認められると、3年や5年の在留期間が付与される可能性もある。
4. 配偶者ビザ申請に必要な書類
(1) 日本人配偶者が準備する書類
- 戸籍謄本(結婚の事実が記載されているもの)
- 住民票
- 住民税の課税証明書・納税証明書(収入を証明するため)
- 勤務先の在職証明書または確定申告書の写し
(2) 外国人配偶者が準備する書類
- パスポートのコピー
- 顔写真(4cm×3cm)
- 母国の結婚証明書(必要に応じて翻訳付き)
(3) 二人の結婚の実態を証明する書類
- 結婚式や日常生活の写真
- LINEやメールのやり取りの履歴
- 夫婦の生活に関する説明書(質問書)
5. 審査のポイントと注意点
配偶者ビザの審査では、以下の点が重要視されます。
(1) 婚姻の信憑性
- ビザの不正取得を防ぐため、「偽装結婚」ではないことを証明する必要があります。
- 交際から結婚に至る経緯を詳細に説明し、写真やメッセージのやり取りなどの証拠を提出しましょう。
(2) 生活の安定性
- 日本人配偶者の収入が一定額以上であることが求められます。(目安として年収250万円以上)
- 安定した生活を送れる経済力があるかどうかを審査されます。
(3) 婚姻期間・子どもの有無
- 婚姻期間が短い場合は慎重に審査される傾向があります。
- 夫婦間に子どもがいる場合は、より安定した結婚生活とみなされやすいです。
6. 申請が不許可になった場合
もし不許可になった場合は、以下の対策を取りましょう。
- 不許可理由を確認する(出入国在留管理局で説明を受ける)
- 追加の証拠を提出して再申請する
- 専門家(行政書士)に相談する(申請書類のブラッシュアップ)
7. まとめ
配偶者ビザの申請は、婚姻の信憑性や生活の安定性を証明することが重要です。特に、日本に呼び寄せる場合と日本国内での在留資格変更では手続きが異なります。スムーズな取得のためには、事前の準備と的確な申請が必要です。不安な場合は行政書士に相談することをおすすめします。