あなたの建築一式工事、許可は大丈夫?知っておくべき基礎知識

建築一式工事(建築工事業)の取得要件とその役割について、沖縄県那覇市や東京都江東区の皆さまに向けて、わかりやすく説明するブログ記事を作成いたします。この内容は建設業許可取得にあたり特に重要なポイントをまとめ、取得に向けての具体的な道筋や注意点を整理しています。

1. 建築一式工事とは

まず、建築一式工事の定義からお話ししましょう。建築一式工事とは、建設物の計画、指導、調整を総合的に行い、複数の工程や専門業者を管理しながら建設を実現するための総合的な工事のことです。ここで「一式」とつく理由は、設計、施工、工程管理などの全てを総合的に含むためです。具体的には、戸建住宅の新築、マンションやビル、商業施設などの大規模な建築プロジェクトが該当します。

2. 建築一式工事のよくある誤解

建築一式工事の建設業許可を取得すると、「どんな工事でも請け負える」という誤解がしばしばあります。しかし、建築一式工事の許可で請け負えるのは、あくまで総合的な工事であり、専門工事を単独で行う場合には別途その専門工事の許可が必要です。例えば、新築建物の内装工事であれば建築一式工事の許可で可能ですが、内装仕上げ工事だけを請け負う場合、500万円を超える工事には「内装仕上げ工事」の許可が求められます。このあたりの誤解は、事前にしっかりと確認しておく必要があります。

3. 建築工事業(建築一式工事)の許可の分類

建設業許可には、建築一式工事と土木一式工事を含む「一式工事」と27種類の専門工事の計29業種が存在します。建築一式工事に必要な許可には、以下のような分類があるため、注意が必要です。

  • 軽微な工事:1,500万円以下または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事は「軽微な工事」として許可が不要です。
  • 一般建設業許可:1,500万円以上の工事を請け負うには許可が必要。
  • 特定建設業許可:元請業者が建築一式工事を請け負い、下請業者に総額7,000万円以上を発注する場合に必要。

建築一式工事を許可なく行った場合、違反行為として罰則が科されることもあるため、許可の有無をしっかりと確認しておくことが重要です。

4. 建築工事業の専任技術者要件

建設業許可を取得するには、その業種に応じた専任技術者が必要です。建築工事業(建築一式工事)の専任技術者となるためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

(1)資格による要件

建築一式工事の専任技術者となるには、以下の資格が必要です。

  • 一級建築士
  • 二級建築士
  • 一級建築施工管理技士
  • 二級建築施工管理技士(建築)
  • 監理技術者資格者(建築工事業として認められたもの)

特定建設業許可の場合は、一級建築士や一級建築施工管理技士といった一級資格者または監理技術者資格者のみが対象です。

(2)実務経験による要件

資格がない場合でも、建築一式工事に10年以上従事した実務経験があれば、専任技術者になれます。また、建築や都市工学を学んだ高校や大学を卒業していれば、実務経験年数が短縮されます。具体的には、高校卒業後は5年、大学卒業後は3年の実務経験でよいため、建築関連学科の学歴がある方にとって有利です。

5. 実務経験を証明するための書類と証明方法

実務経験による専任技術者の要件を満たすには、その経験を裏付ける書類が必要です。主な書類とその目的は以下のとおりです。

必要書類一覧

  1. 被保険者記録照会回答票:年金事務所から取得し、企業の厚生年金保険に加入していた期間を証明します。企業に常勤で在籍していたことを確認するために用いられます。
  2. 建設業許可通知書の写し:許可を持っていた期間の証明書です。これにより、許可の有効期間中に建築工事業に従事していたことが確認できます。
  3. 実務経験証明書:実際に担当した建築一式工事の内容や期間を具体的に記載します。これが実務経験を裏付ける最も重要な書類です。
  4. 健康保険被保険者証の写し:申請する企業に現在も常勤であることを証明します。

許可のない企業での経験の場合

企業が建設業許可を受けていなかった場合でも、軽微な工事(1,500万円以下または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事)の経験は認められます。この場合、工事請負契約書や請求書、注文書などの書類を用意し、元請業者の立場で建築一式工事を行った実績を証明します。

6. 各書類の取得方法と注意点

必要書類の取得は複数の機関にまたがります。以下に主要な書類の取得方法と注意点をまとめます。

被保険者記録照会回答票

最寄りの年金事務所で取得できます。即日発行されるため、申請前に早めに取得しましょう。

建設業許可通知書の写し

許可の通知書は建設業の新規取得時および5年ごとの更新時に発行されますが、紛失してしまった場合は、申請先の窓口で確認してもらえるケースもあるため、問い合わせが必要です。

実務経験証明書

この証明書は、具体的に担当した建築一式工事の内容と期間を記載するため、誤りがないようしっかりと確認しながら作成しましょう。

7. まとめ 建築一式工事に関するポイント

建築一式工事の許可を取得するには、法律で定められた厳格な基準を満たす必要があります。特に、専任技術者の要件や実務経験の証明は複雑であり、各種書類の準備においては時間と労力がかかることが予想されます。そのため、許可申請を行う際には、経験豊富な行政書士や専門家に相談しながら進めるのがおすすめです。

沖縄県や東京都で建築一式工事の許可取得をお考えの方は、必要な書類や要件についての理解を深め、準備を整えた上で申請を行いましょう。

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