農地転用許可は不要?市街化区域の農地転用のポイントを徹底解説

農地を住宅地や商業地に転用する場合、通常は農地法に基づき許可が必要ですが、特定の条件下では許可不要で手続きを進めることができます。特に、都市計画法により指定された「市街化区域」内の農地は、農地転用の手続きが大幅に簡略化され、「許可」ではなく「届出」 のみで転用が可能です。

本記事では、東京都23区部および沖縄県にお住まいの方々に向けて、市街化区域の農地転用における基本的な仕組みや、届出手続きの方法について詳しく解説します。

目次

1. 農地転用とは?許可が必要なケースとは?

(1)農地転用とは

農地転用とは、農地を宅地、商業用地、工業用地など、農業以外の目的に変更すること を指します。日本では農地を守るために、農地法によって厳格な規制が設けられています。

通常、農地を転用するためには、次のいずれかの手続きが必要です。

  • 農地法第4条許可(農地所有者が自己使用のために転用する場合)
  • 農地法第5条許可(農地を売買・賃貸し、第三者が転用する場合)

しかし、市街化区域にある農地に関しては、これらの厳しい許可手続きは不要で、届出だけで転用が可能 です。

2. 市街化区域とは?農地転用許可が不要な理由

(1)都市計画区域と市街化区域の関係

農地転用に関する規制は、農地法だけでなく都市計画法の影響も受けます。都市計画法では、日本全国の土地を「都市計画区域」と「都市計画区域外」に分類し、さらに都市計画区域内を次の2つに区分しています。

  1. 市街化区域(都市化を積極的に進めるエリア)
  2. 市街化調整区域(都市化を抑制するエリア)

(2)市街化区域の農地転用に許可が不要な理由

市街化区域は、都市計画上、「農地を宅地や商業地に転用することが推奨されるエリア」となっています。そのため、農地法の厳しい許可手続きは不要とされ、届出のみで転用が可能 になっているのです。

一方、市街化調整区域では原則として農地転用が制限されており、農地を転用するためには厳格な許可が必要になります。

3. 市街化区域の農地転用届出の流れ

(1)農地転用届出の手続き

市街化区域にある農地を転用する場合、以下の手続きを行います。

  1. 転用予定地が市街化区域に含まれていることを確認
    • 役所の都市計画課などで確認可能
    • インターネットで都市計画図を閲覧する方法もある
  2. 農地転用届出書の作成
    • 申請者の情報
    • 転用する農地の情報(地番、面積、現況など)
    • 転用の目的(宅地、駐車場、商業施設など)
    • 予定している建物の概要(規模、用途など)
  3. 添付書類の準備
    • 位置図(転用予定地の場所が分かる地図)
    • 公図の写し(法務局で取得)
    • 土地登記簿謄本(法務局で取得)
    • 土地利用計画図(どのように利用するか示す図面)
  4. 市役所・区役所へ届出
    • 届出の提出先は、農地がある市区町村の農業委員会
    • 届出後、受理されれば転用が可能(審査期間は通常1〜2週間)
  5. 転用後の工事開始
    • 届出が受理されたら、農地から宅地や商業地への転用工事を開始可能
    • ただし、建築許可や開発許可が必要な場合があるため、別途確認が必要

4. 市街化区域の農地転用における注意点

(1)農地転用届出が不要なわけではない

市街化区域の農地転用は許可不要ですが、「届出」は必要です。届出をせずに農地を勝手に転用すると、違法転用とみなされ、行政指導や罰則の対象になる可能性があります。

(2)他の法令の規制を確認

農地転用届出が完了しても、以下のような他の法律に基づく規制がある場合は、追加で手続きが必要になります。

  • 建築基準法(建物の建築には確認申請が必要)
  • 開発許可制度(大規模な開発の場合、都市計画法の開発許可が必要)
  • 環境規制(埋立地や自然保護区域の場合、別途許可が必要)

(3)転用後の税金の変化

農地から宅地などに転用すると、固定資産税や相続税の評価額が変わり、税負担が増える可能性があります。事前に税務署や専門家に相談し、シミュレーションを行うことをおすすめします。

5. まとめ

市街化区域の農地は、農地法の厳しい許可手続きを経ずに、届出のみで転用が可能です。手続き自体は比較的簡単ですが、他の法令の規制や税金の影響も考慮する必要があります。

ポイントのまとめ

市街化区域の農地は許可不要、届出のみで転用可能

届出を怠ると違法転用になるため注意

建築基準法や開発許可制度など、他の規制も確認

転用後の税負担増加も考慮することが重要

東京都23区部や沖縄県で農地転用を考えている方は、事前に都市計画を確認し、適切な手続きを進めるようにしましょう。

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