
1. 補助金は誰でももらえるものではない
事業の成長や新たな設備投資、販路拡大のために活用できる補助金。しかし、「補助金は誰でも申請すればもらえるのか?」といえば、そうではありません。
基本的に、補助金は中小企業や小規模事業者を支援するためのものです。例えば、トヨタ自動車のような大企業は補助金の対象になりません。むしろ、大企業は政府や自治体と連携し、補助金制度を作る側になることが多いです。
では、中小企業や小規模事業者なら誰でも補助金を受けられるのでしょうか? これについても、補助金制度ごとに「対象となる事業者の条件」が厳格に定められており、それに当てはまらなければ申請はできません。
補助金制度の申請には、「募集要項(公募要領)」が定められています。この募集要項には、対象となる事業者の規模、業種、補助対象となる経費の種類など、詳細な条件が記載されています。補助金の申請を考えている事業者は、まずこの募集要項をよく読み、自社が対象に該当するか確認することが必要です。
この記事では、代表的な補助金の「対象者」に焦点を当て、具体的にどのような企業が申請できるのかを詳しく解説します。
2. 主要な補助金とその対象者
補助金制度にはさまざまな種類がありますが、ここでは国が実施する代表的な3つの補助金について、それぞれの対象者の条件を詳しく見ていきましょう。
① ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金は、新規設備投資や技術開発を支援する補助金です。特に、革新的な製品の開発や生産プロセスの改善などに活用できます。
対象となる事業者の条件
ものづくり補助金の対象となるのは、一定の規模以下の中小企業です。業種ごとに、資本金や従業員数の制限が設定されています。
業種 | 資本金の上限 | 従業員数の上限 |
製造業・建設業・運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業(宿泊・娯楽業以外) | 5,000万円以下 | 100人以下 |
サービス業(宿泊・娯楽業) | 5,000万円以下 | 200人以下 |
注意点
資本金と従業員数のどちらか一方でも基準を超えると対象外になります。
例えば、製造業で資本金が4億円、従業員数が200人の会社は、資本金が基準を超えているため申請できません。
しかし、資本金が5億円で従業員数が200人の会社の場合は、従業員数の条件を満たしているため、申請可能となります。
② IT導入補助金
IT導入補助金とは?
IT導入補助金は、企業の生産性向上を目的として、業務効率化のためのITツール導入費用を補助する制度です。クラウドシステムやPOSレジ、業務管理システムなどの導入費用を支援します。
対象となる事業者の条件
IT導入補助金の最大の特徴は、「対象業種の幅広さ」にあります。他の補助金では対象外になりがちな一般社団法人やNPO法人も対象となることが多いです。
対象業種の例:
- 製造業、建設業、運輸業
- 卸売業、小売業、飲食業、宿泊業
- 医療・福祉、教育関連
- 一般社団法人、財団法人、特定非営利活動法人(NPO法人)
注意点
補助対象となるITツールは、事前に認定された「IT導入支援事業者」のものに限られます。自由にどんなITシステムでも補助対象になるわけではないので、申請前に確認が必要です。
③ 小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは?
小規模事業者持続化補助金は、販路拡大や集客を目的とした経費の補助を受けられる制度です。例えば、新しいチラシの制作、Webサイトの作成、店舗改装費用などが補助対象になります。
対象となる事業者の条件
小規模事業者持続化補助金は、ものづくり補助金やIT導入補助金と比べて対象が小規模事業者に限定されます。
業種 | 従業員数の上限 |
商業・サービス業 | 5人以下 |
製造業・建設業・その他の業種 | 20人以下 |
注意点
事業規模が小さいほど支援の対象になりやすいですが、資本金の基準はありません。また、法人だけでなく、個人事業主も対象になります。
3. 補助金の対象者になるために確認すべきポイント
補助金を受けるためには、自社が補助金の対象条件を満たしているかどうかを確認することが重要です。以下のポイントをチェックしましょう。
- 事業の規模(資本金・従業員数)**が補助金の基準を満たしているか
- 業種が補助金の対象に含まれているか
- 法人形態(株式会社、合同会社、個人事業主、NPO法人など)が補助金の対象か
- 補助対象となる事業内容や経費が、公募要領の条件を満たしているか
4. まとめ
補助金は、中小企業や小規模事業者を支援する制度であり、誰でも受けられるものではありません。補助金ごとに「対象となる事業者の条件」が細かく定められており、それに該当しなければ申請ができません。
主な補助金と対象者の特徴
- ものづくり補助金:中小企業向け、大企業は対象外
- IT導入補助金:幅広い業種が対象、NPO法人などもOK
- 小規模事業者持続化補助金:小規模事業者や個人事業主向け
補助金申請を検討する際は、まず公募要領を確認し、自社が対象になるかをしっかりチェックしましょう。沖縄県那覇市および東京都江東区の方で申請手続きが不安な場合は、専門家である行政書士に相談することをおすすめします。