
人が亡くなると、その人が持っていた財産や負債は、一定のルールに従って相続人へと引き継がれます。相続に関わる人々には、それぞれ法律上の役割があり、正しく理解しておくことが重要です。
本記事では、相続における登場人物である「被相続人」「相続人」について、具体的に説明し、相続手続きの実務上の注意点も解説します。東京都江東区や沖縄県那覇市で相続手続を考えている方々の参考になれば幸いです。
1. 被相続人(ひそうぞくにん)とは?
「被相続人」とは、亡くなった方のことを指します。相続は、被相続人が生前に所有していた財産(プラスの財産)や負債(マイナスの財産)を、法律に従って相続人が引き継ぐ手続きです。
被相続人の財産には、以下のようなものが含まれます。
プラスの財産(相続できる財産)
- 預貯金
- 不動産(土地・建物)
- 株式や投資信託
- 貴金属、美術品、車両
- 生命保険金(場合による)
マイナスの財産(相続する義務がある財産)
- 住宅ローン
- 借金(個人の借入、カードローンなど)
- 未払いの税金(住民税・所得税・固定資産税など)
- 損害賠償債務
相続人は、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も相続することになるため、場合によっては「相続放棄」や「限定承認」といった手続を検討することも必要です。
2. 相続人(そうぞくにん)とは?
「相続人」とは、被相続人の財産を法律上のルールに従って引き継ぐ権利を持つ人のことを指します。
民法では、相続人の範囲と順位が決められています。
相続人には、大きく分けて「配偶者」と「血族相続人(子・親・兄弟姉妹)」の2種類があります。
(1) 配偶者(はいぐうしゃ)
被相続人が亡くなったときに、生存している配偶者がいれば、その配偶者は常に相続人になります。
配偶者の相続権に関するポイント
- 配偶者は必ず相続人になる(他の相続人と共同で相続する)
- 離婚した元配偶者には相続権がない
- 内縁関係の配偶者(事実婚の相手)には相続権がない
(2) 子(直系卑属:ちょっけいひぞく)
被相続人に子がいる場合、その子が相続人になります。
子の相続権に関するポイント
- 実子と養子は同じ相続権を持つ
- 離婚した元配偶者との子も相続人になる
- 認知された非嫡出子(婚姻関係にない相手との子)も相続人になる
- 胎児も、出生後に生きていれば相続人となる
(3) 親(直系尊属:ちょっけいそんぞく)
被相続人に子がいない場合、親が相続人となります。
親の相続権に関するポイント
- 被相続人の父母が健在なら、相続人になる
- 父母が既に亡くなっている場合、祖父母が相続人になる
(4) 兄弟姉妹
被相続人に子も親もいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。
兄弟姉妹の相続権に関するポイント
- 相続の優先順位は子や親よりも低い
- 被相続人の兄弟姉妹が死亡している場合、その兄弟姉妹の子(甥・姪)が相続人になる
- 異父兄弟・異母兄弟は、父母が同じ兄弟よりも相続分が少なくなる(相続分は半分)
3. 具体的な相続のケース
相続の場面では、さまざまな事情が絡むことがあり、相続人の確定が複雑になることもあります。ここでは、よくあるケースを紹介します。
(1) 亡くなった夫が再婚しており、前妻との間に子がいる場合
この場合、後妻と前妻の子は共同相続人となります。前妻との間の子は、現在の配偶者とは別世帯で暮らしていることが多く、遺産分割協議が難航することがあります。
注意点
- 遺産分割協議には全ての相続人が参加しなければならない
- 連絡が取れない相続人がいる場合、家庭裁判所の手続が必要になることもある
(2) 内縁関係の配偶者がいる場合
事実婚(内縁関係)の配偶者には、法律上の相続権がありません。被相続人が遺言を残していない場合、内縁の配偶者は何も相続できない可能性があります。
対策
- 遺言書を作成し、内縁の配偶者に財産を残す
- 生前贈与などを活用する
(3) 認知されていない子がいる場合
被相続人が生前に認知していなかった場合、その子には相続権がありません。しかし、相続発生後に認知を求める手続をすることで、相続権を主張できる可能性があります。
注意点
- 裁判で認知を求めることになるため、手続が長引く
- 他の相続人との関係が悪化しやすい
4. まとめ
相続手続にはさまざまな登場人物が関わり、それぞれの立場によって相続の権利が異なります。
- 配偶者は必ず相続人になるが、離婚した元配偶者や内縁の配偶者には相続権がない
- 子には実子・養子・認知された非嫡出子も含まれる
- 親や兄弟姉妹も、子がいない場合は相続人になる
特に、再婚や非嫡出子の問題、内縁関係の配偶者がいる場合は、相続が複雑になるため、専門家に相談することが重要です。
相続でトラブルを避けるためには、生前の遺言書の作成や、早めの対策が必要です。江東区や那覇市で相続についてお悩みの方は、行政書士に相談することをおすすめします。