留学ビザから技・人・国ビザ(Technical Intern Training, Humanities/International Services)へ変更し、日本での就職を目指す留学生にとって、そのプロセスは複雑で多くのステップを踏む必要があります。この記事では、留学ビザから技・人・国ビザに変更する流れ、必要な準備、注意点について詳しく解説します。
1. 就職活動・採用活動
留学生の就職活動は、技・人・国ビザの要件に基づく業務を探すことから始まります。 学生時代に専攻した分野と関連のある業務に就くことが求められます。企業側もこの点を理解し、ビザの要件に該当する業務内容であるかを確認することが重要です。
- 専攻科目との関連性
留学生が就職する業務は、大学や専門学校で学んだ専攻科目と関連している必要があります。例えば、情報工学を専攻していた場合、ソフトウェア開発やIT関連業務に就くことが求められます。 - 企業側の認識
採用企業も、技・人・国ビザの要件に適合する業務内容を確認し、適切な雇用契約を結ぶ必要があります。これにより、ビザ申請がスムーズに進むでしょう。
2. 面接
採用プロセスの一環として、面接が行われます。面接時には、以下の点が重要です:
- 専攻分野との関連性の確認
面接官は、応募者が学んできた内容と仕事の内容が一致しているかを確認します。具体的なスキルや経験についての質問がされることが多いです。 - 日本語能力の確認
技・人・国ビザには一定の日本語能力が求められます。面接では日本語でのコミュニケーション能力が試されることがあります。
3. 内定
面接を通過すると、内定が出されます。内定通知が届いたら、次に進む準備をします。
- 内定後の対応
内定通知を受け取った後、ビザ変更手続きの準備に入ります。この段階で、企業側とビザ申請に関する詳細な打ち合わせを行うことが重要です。
4. 雇用契約書の締結
内定後、雇用契約書を締結します。この契約書には以下の情報が含まれます:
- 雇用条件
職務内容、勤務時間、給与などの詳細が記載されます。技・人・国ビザの条件を満たすため、給与が日本人と同等額であることを確認してください。 - ビザ取得後の契約開始
雇用契約書には、ビザ取得後に契約が有効になる旨の一文を入れることができます。これにより、ビザが取得できなかった場合のリスクを回避できます。
5. ビザ申請準備
ビザ変更申請のためには、以下の書類を準備する必要があります:
- 申請者本人が用意する書類
- 在留資格変更許可申請書
- 写真(指定サイズ)
- パスポート
- 現在の在留カード
- 履歴書
- 卒業見込み証明書
- 成績証明書
- 出席証明書(専門学校の場合)
- 資格外活動許可書(許可を受けている場合)
- 卒業証書または卒業証明書(卒業後に提示)
- その他追加資料(職務内容や在留状況により)
- 採用企業が用意する書類
- 雇用契約書(労働条件通知書)
- 雇用理由書
- 履歴事項全部証明書
- 貸借対照表・損益計算書
- 現行定款
- 給与所得の法定調書合計表(税務署の受理印がある写し)
- その他追加資料(就労内容や受け入れ企業の規模による)
6. ビザ変更申請
ビザ変更の申請は、以下の方法で行います:
- 申請先
原則として留学生の居住地を管轄する地方出入国管理官署へ申請します。ただし、申請取次行政書士や受入先企業の担当者が申請を行う場合もあります。 - 申請ができる人
- 留学生本人
- 申請取次行政書士
- 受入先企業の雇用主や採用担当者(入管から申請取次の承認を受けている場合)
- 申請取次弁護士
7. 審査結果
ビザ申請の審査結果は、許可の場合には住所に結果通知はがきが届きます。不許可の場合は、封筒で届くことが一般的です。新しい在留カードは、卒業証書または卒業証明書を提出することで交付されます。
8. 就労開始
ビザ変更が完了し、新しいビザが発行されると、正式に就労を開始します。これにより、日本でのキャリアをスタートさせることができます。
まとめ
留学ビザから技・人・国ビザへの変更は、慎重な計画と準備が必要です。就職活動からビザ申請までのプロセスを理解し、適切に対応することで、スムーズにビザ変更を進めることができます。ビザ変更に関するご相談や不明点がある場合は、ぜひ専門の行政書士に相談することをお勧めします。