贈与税の非課税となるケースについて徹底解説

贈与税は、個人から贈与を受けた財産に対して課税される税金です。基本的には、一定額以上の贈与には贈与税がかかりますが、日本には贈与税が非課税となる特定のケースがあります。本記事では、贈与税が非課税となる8つのケースについて詳しく解説します。

1. 年間110万円以下の贈与

贈与税には、年間の贈与額が110万円以下の場合に税務署への申告が不要であるという特例があります。これは、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた合計額が110万円以下であれば、贈与税は課税されないというものです。この110万円の枠内であれば、複数回に分けて贈与を受けても問題ありません。

2. 生活費や教育費としての贈与

生活費や教育費として贈与を受けた場合、110万円を超えたとしても贈与税の対象とはなりません。例えば、大学生の子どもに対して150万円の仕送りを行った場合でも、これが生活費や教育費としての贈与であれば、贈与税はかかりません。ただし、これには適用条件があり、贈与が実際に生活費や教育費に充てられている必要があります。

3. 相続時精算課税制度

60歳以上の祖父母または父母から、18歳以上の子または孫に対して財産を贈与する場合には、「相続時精算課税制度」を利用できます。この制度を利用すると、受け取った財産の合計額が2500万円以下であれば、贈与税が発生しません。ただし、この制度を利用する場合には贈与税の申告が必要です。また、年間110万円の贈与控除と併用することはできません。

4. 配偶者への贈与

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産やその取得資金の贈与については、2000万円まで贈与税が非課税となります。この制度を利用するためには、贈与税の申告が必要です。具体的には、配偶者が取得する不動産や資金が2000万円を超えない限り、贈与税はかかりません。

5. 結婚・子育て資金としての贈与

結婚や子育てのために一括で贈与される資金については、1000万円まで贈与税が非課税となります。さらに、結婚のために贈与された金額については、300万円まで贈与税がかからない特例があります。対象となる年齢は18歳以上50歳未満で、2025年3月31日までの贈与が対象です。この制度を利用するには、金融機関で結婚・子育て資金用の口座を開設し、その口座を通じて贈与税の申告を行う必要があります。

6. 教育費の一括贈与

教育に関連する費用についての一括贈与は、1500万円まで贈与税が発生しません。対象年齢は30歳未満で、2026年3月31日までの贈与が対象です。この制度を利用するためには、教育資金専用の口座を開設し、その口座を通じて贈与税の申告を行う必要があります。

7. 住宅購入資金の贈与

2023年12月31日までの限定された期間に適用される特例です。住宅購入資金の贈与についても非課税枠がありますが、具体的な金額や条件は時期によって異なりますので、最新の情報を確認することが重要です。

8. 障害者への特定贈与信託

特定贈与信託は、障害者の生活の安定のために親族が財産を信託し、金融機関がその財産を管理する制度です。この制度を利用すると、特別障害者には6000万円、特別障害者以外の特定障害者には3000万円まで贈与税が非課税となります。特定贈与信託を利用するためには、信託契約を結び、信託に関する書類を整える必要があります。

まとめ

贈与税は、贈与を受けた財産に対して課税される税金ですが、日本には多くの非課税制度があります。これらの制度を適切に利用することで、贈与税の負担を軽減することができます。贈与に関する税務や制度についてのご相談は、ぜひ専門家にご相談ください。幣事務所では、税理士や他の専門家と連携して、最適なアドバイスを提供いたします。贈与税の非課税制度を利用し、賢く資産管理を行いましょう。

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