建設業許可を取らないと取引できないと言われた、元請から突然求められる「許可取得」の背景と対策

目次

1.突然の「許可を取らないと取引できない」という通告

建設業許可に関するご相談の中で、近年とても増えているのが次のような内容です。

「これまで長年取引してきた元請から、
今まで一度も言われたことがなかったのに、
突然『今後は建設業許可を取得していないと取引できない』
と言われた」

このような相談を受けると、多くの方が戸惑われます。
「今まで問題なくやってきたのに、なぜ今さら?」
「法律上は許可がいらない工事しかやっていないのに」
そう感じるのも無理はありません。

しかし、このような要請は、決して珍しいものではなく、
むしろ東京都江東区や沖縄県那覇市を含め、全国的に増えている傾向です。

2.法律上の建設業許可が必要なケースのおさらい

まず、建設業許可が必要となる基本的なルールを整理しておきましょう。

建設業法では、次の金額以上の工事を請け負う場合、建設業許可が必要とされています。

・1件あたり500万円以上の建設工事
・建築一式工事の場合は1,500万円以上

これらの金額には、消費税も含まれます。

逆に言えば、法律上は、この金額未満の工事しか請け負わないのであれば、必ずしも建設業許可を取得しなければならないわけではありません。

実際に、
・リフォーム工事
・修繕工事
・小規模な設備工事
など、少額の工事を多数こなす業態の建設業者では、許可を持たずに営業しているケースもあります。

この点だけを見ると、
「うちは許可がいらないはず」
と考える方が多いのも自然です。

3.元請や発注者の立場から見た「建設業許可」

では、なぜ法律上は許可が不要でも、元請から「許可を取ってほしい」と言われるのでしょうか。

ここが非常に重要なポイントです。

建設業許可は、単に「工事金額の条件」を満たすためだけのものではありません。
許可を取得するためには、次のような要件をクリアする必要があります。

・経営業務の管理責任者がいること
・専任技術者がいること
・財産的基礎があること
・社会保険等に適切に加入していること
・誠実性があること

これらの要件を満たして初めて、行政から建設業を営む資格があると認められます。

つまり、建設業許可を持っている事業者は、
経営面
技術面
管理体制
のいずれについても、一定水準を満たしているという「お墨付き」を受けている状態だと言えます。

4.同じ条件なら「許可業者」が選ばれるのは自然な流れ

元請業者や個人の発注者の立場に立って考えてみてください。

もし、
・工事内容
・金額
・工期
が同じであれば、

建設業許可を持っている事業者と、
建設業許可を持っていない事業者、

どちらに仕事を依頼したいでしょうか。

多くの場合、
「許可を持っている方が安心」
と感じるのではないでしょうか。

特に元請業者の場合、下請業者の選定には常にリスク管理が伴います。
下請がトラブルを起こせば、最終的な責任を問われるのは元請です。

そのため、
・法令遵守
・経営の安定性
・技術力
が一定水準以上であることが、客観的に確認できる建設業許可業者を優先するのは、非常に合理的な判断と言えます。

5.業界全体で進む「許可業者との取引が前提」という流れ

近年、建設業界全体として、次のような傾向が強まっています。

「法律上は許可が不要な工事であっても、
できる限り建設業許可を取得している事業者と取引しよう」

この流れは、年々強くなっています。

背景には、
・コンプライアンス意識の高まり
・行政指導や監督の強化
・元請業者自身が許可業者であることによる責任の重さ
などがあります。

特に公共工事や大手企業が関与する現場では、
下請や協力会社に対しても、建設業許可の有無が厳しくチェックされるようになっています。

その結果、
「これまでは許可がなくても問題なかった」
という関係性が、ある日突然変わることも珍しくありません。

6.人間関係があっても、流れには逆らえないことがある

もちろん、すべての取引が一律に切り替わるわけではありません。

長年の信頼関係があり、
・工事内容が限定的
・金額も小規模
・リスクが低い
と判断されれば、引き続き取引が続く個別ケースも多くあります。

しかし、元請業者側も企業としての判断を求められます。

担当者個人の判断ではなく、
会社として
「今後は許可業者との取引を原則とする」
という方針が打ち出されると、個人的な関係だけではどうにもならなくなります。

その結果として、
「申し訳ないが、許可を取らないと今後は取引できない」
という話になるのです。

7.突然言われてからでは、間に合わないこともある

建設業許可は、申請すればすぐに取れるものではありません。

要件の確認
必要書類の収集
申請書類の作成
審査期間

これらを考えると、許可取得までには一定の時間がかかります。

元請から
「次の現場からは許可が必要」
と言われてから準備を始めても、間に合わないケースも少なくありません。

結果として、
・仕事を失う
・取引先を失う
・売上が大きく減少する
といった事態につながることもあります。

8.東京都江東区・沖縄県那覇市の建設業者の方へ

東京都江東区、沖縄県那覇市はいずれも、
建設需要が安定しており、元請・下請の関係も多い地域です。

その分、
・元請からの要請
・行政のチェック
・業界のルール
は年々厳しくなっています。

「うちは小規模だから関係ない」
「今はまだ言われていないから大丈夫」

そう考えている間に、状況が大きく変わることも十分に考えられます。

9.まとめ 建設業許可は「守り」でもあり「攻め」でもある

元請から建設業許可の取得を求められるのは、決して珍しいことではありません。
むしろ、今後は当たり前になっていく可能性が高いと言えます。

建設業許可は、
・法律を守るため
・取引を継続するため
だけでなく、

・信頼を得るため
・仕事の幅を広げるため
・将来の事業拡大に備えるため

の重要な経営ツールでもあります。

「言われてから慌てる」のではなく、
「言われる前に備える」

この意識が、今後の建設業経営においてますます重要になっていくでしょう。

東京都江東区、沖縄県那覇市で建設業を営む皆さまが、安定した取引と事業継続を実現するためにも、建設業許可の取得を前向きに検討されることを強くおすすめします。

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