外国から日本へ人材を呼び寄せる際に必要となる「在留資格認定証明書」については、既に説明しましたが、外国人を日本で雇用する際には「カテゴリー」という概念も重要です。カテゴリーとは、企業や団体の規模や形態に応じて異なる書類要件や審査基準を示す分類です。本記事では、この「カテゴリー」の詳細について解説し、どのように在留資格申請に影響を及ぼすのかを詳しく見ていきます。
カテゴリーとは
「カテゴリー」とは、企業や団体の規模を示す分類で、在留資格認定証明書の申請時に提出すべき書類の内容や審査の厳しさに影響します。カテゴリーは以下の4つに分かれており、数字が小さいほど規模が大きいとされています。
- カテゴリー1
- カテゴリー2
- カテゴリー3
- カテゴリー4
各カテゴリーの具体的な定義や基準について見ていきましょう。
カテゴリー1
カテゴリー1に分類される企業や団体は、日本の証券取引所に上場している企業や保険業を営む相互会社、国や地方公共団体、独立行政法人など、非常に大規模で信頼性の高い法人が該当します。具体的には以下のような機関が含まれます。
- 日本の証券取引所に上場している企業: 上場企業は、その規模や透明性が非常に高いため、カテゴリー1に分類されます。
- 保険業を営む相互会社: 保険業を営む相互会社も、規模が大きく安定しているため、カテゴリー1に含まれます。
- 日本または外国の国・地方公共団体: 公的機関であるため、カテゴリー1に分類されます。
- 独立行政法人: 特定の業務を担当する法人であり、大規模な運営が行われています。
- 特殊法人・認可法人: 法律に基づき設立された法人で、規模が大きいものです。
- 日本の国・地方公共団体認可の公益法人: 公益法人は、公共の利益を目的とした法人で、カテゴリー1に該当します。
- 法人税法別表1に掲げる公共法人: 法人税法に基づく特定の公共法人がこれに当たります。
- 高度専門職における対象企業(イノベーション創出企業): 高度専門職が多数在籍する企業やイノベーションを推進する企業も含まれます。
- 一定の条件を満たす企業等: 特定の条件を満たす企業がこのカテゴリーに分類されます。
これらの企業や団体は、大規模であるため、審査が簡易的に行われる傾向があります。
カテゴリー2
カテゴリー2に分類されるのは以下の企業や団体です。
- 前年度の源泉徴収税額が1,000万円以上の企業・個人: この条件を満たす企業は、比較的大規模で安定していると見なされます。
- 在留申請オンラインシステムの利用申出の承認を受けている機関: 在留申請のオンラインシステムを利用することで、手続きがスムーズに行える機関です。
このカテゴリーに該当する企業は、一定の規模以上であり、信頼性が高いため、カテゴリー3や4に比べて審査が簡易である傾向があります。
カテゴリー3
カテゴリー3に分類されるのは、前年度の源泉徴収税額が1,000万円未満の企業・個人です。このカテゴリーに該当する企業や団体は、中規模から小規模のものが多く、カテゴリー2よりも審査が厳しくなります。申請に必要な書類や手続きが多くなることがあります。
カテゴリー4
カテゴリー4に分類されるのは、カテゴリー1から3に該当しない企業・個人です。新規設立の会社や設立間もない企業がこのカテゴリーに該当します。カテゴリー4の企業は、規模が小さく、設立から日が浅いため、審査が厳しくなることが一般的です。特に、設立から間もない企業は審査が慎重に行われるため、十分な書類準備が必要です。
カテゴリーによる影響
カテゴリーによって、申請に必要な書類や審査の厳しさが異なります。例えば、カテゴリー1の企業は、審査が比較的簡易であり、要求される書類も少ないことが多いです。一方、カテゴリー4の企業では、設立からの歴史や財務状況を詳しく示す必要があり、書類も多くなります。
また、カテゴリーによって審査のスピードや詳細な要件が変わるため、申請者は自社のカテゴリーを理解し、適切な準備を行うことが重要です。特に、初めて外国人を雇用する企業や新規設立の企業は、カテゴリー4に該当することが多く、十分な書類準備と計画的な申請が求められます。
まとめ
在留資格認定証明書の申請において「カテゴリー」は、企業や団体の規模に応じた重要な要素です。カテゴリーによって、必要な書類や審査の厳しさが大きく異なります。日本に外国人を呼び寄せる際には、どのカテゴリーに該当するのかを理解し、それに応じた適切な準備を行うことが、スムーズな申請のためには欠かせません。企業の規模や状況に応じた対応をしっかりと行い、在留資格認定証明書の取得に向けた準備を整えましょう。