海外在住の外国人を採用する際に必要な「在留資格認定証明書」について

在留資格認定証明書とは

在留資格認定証明書(Certificate of Eligibility、略称COE)とは、海外に在住する外国人が日本で行おうとする活動内容が、所定の在留資格に該当することを証明する公式な書類です。日本での中長期の滞在を希望する外国人に対して、入国審査をスムーズに行うための事前承認を示すもので、観光や短期の親族訪問など、90日以内の短期滞在には交付されません。

なぜ在留資格認定証明書が必要なのか

在留資格認定証明書の主な目的は、日本への入国前に外国人の滞在資格を事前に審査し、認証することです。これにより、日本入国時の審査が迅速に行われるとともに、入国後の在留資格の手続きがスムーズになります。この証明書があることで、申請者は在外公館でのビザ申請が容易になり、入国後の滞在開始がスムーズに行えるのです。

在留資格認定証明書の取得方法

  1. 日本国内での申請まず、日本国内での手続きが必要です。以下のステップで進めます。
    1. 申請: 日本の入国在留管理局に対して、在留資格認定証明書の交付申請を行います。この申請は通常、雇用主や代理人が行います。
    2. 審査: 入国在留管理局が申請内容を審査し、問題がなければ在留資格認定証明書を交付します。このプロセスには通常1か月から3か月ほどかかりますが、繁忙期や個々のケースによって異なる場合があります。
    3. 交付: 認定証明書が交付されると、申請者に送付されます(電子化されているため、メールでの送付も可能です)。
  2. 海外での手続き在留資格認定証明書が交付された後、次に海外での手続きが必要です。
    1. ビザ申請: 申請者または指定代理機関が、日本の在外公館(大使館または領事館)に対して在留資格認定証明書を提示し、査証(ビザ)の発給申請を行います。
    2. ビザ発給: 在外公館がビザの発給を行います。
  3. 日本入国ビザが発給された後、申請者は日本へ入国します。入国時には、パスポート、ビザ、在留資格認定証明書を提示し、入国審査を受けます。入国後、在留カードが交付されますが、一部空港では在留カードが即日交付されず、後日届け出た住所宛に郵送される場合もあります。

取得にかかる期間

在留資格認定証明書の取得には通常1か月から3か月が必要ですが、申請のタイミングや繁忙期によって変動することがあります。したがって、十分な余裕を持って申請を行うことが重要です。特に外国人の採用を予定している企業は、申請プロセスに必要な時間を考慮し、適切なタイミングで手続きを始めることをおすすめします。

在留資格認定証明書のメリット

  1. 入国審査のスムーズさ: 在留資格認定証明書を持っていることで、日本入国時の審査がスムーズに行われます。
  2. ビザ申請の簡略化: ビザ申請が容易になり、迅速に処理される可能性が高くなります。
  3. 滞在開始のスムーズさ: 日本入国後、在留カードの交付がスムーズに行われるため、滞在の開始が円滑になります。

注意点とデメリット

  1. 審査が厳格: 在留資格認定証明書の申請には、詳細な審査が行われるため、書類の準備が煩雑である場合があります。
  2. 発給までの時間: 発給には時間がかかるため、早めに手続きを進める必要があります。
  3. ビザ発給後の手続き: ビザ発給後にも、在留資格に関する手続きが残ることがあります。

まとめ

在留資格認定証明書は、日本での中長期滞在を希望する外国人にとって不可欠な書類です。特に、転職や新たな雇用を通じて日本に入国する際には、この証明書を取得することでスムーズな入国手続きが可能になります。申請のタイミングや必要書類の準備には十分な注意が必要ですが、そのメリットを最大限に活かし、外国人の受け入れをスムーズに進めるための重要なステップとなります。

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