ドローン飛行許可申請に必要な「操縦者の審査」とは?~那覇市・江東区の皆さまへ~

近年、空撮や点検、測量、物流など、さまざまな分野で活用が進むドローン。しかし、一定の条件下でドローンを飛行させるには、国土交通省への飛行許可申請が必要となります。そして、この申請において重要な審査項目のひとつが「操縦者の能力証明」です。

本記事では、特に江東区(東京都)や那覇市(沖縄県)での申請をお考えの皆さまに向けて、ドローン操縦者の審査基準について、具体的かつ実務的な視点で解説します。


目次

操縦者の審査とは?

国土交通省が定める飛行許可申請では、「申請に係る飛行に対応できる操縦能力を有しているか」が問われます。つまり、単にドローンを持っているだけでなく、安全に操縦できる知識・技術・経験を持っていることが必要です。

この「操縦者の要件」は、大きく分けて以下の3つの観点から審査されます。

  1. 機体の種類ごとの飛行経験(実技)
  2. 安全運航に関する知識(学科)
  3. 実践的な飛行スキル(運用能力)

1. 飛行経験の基準:「10時間以上」の意味

飛行経験については、申請する機体の「種類」ごとに10時間以上の飛行経歴が必要とされています。

ここで重要なのは、「種類」とはドローンの機種(メーカーやモデル)ではなく、その形状・構造を意味するという点です。

具体例で説明:

  • Phantom 4(DJI)
  • Inspire 2(DJI)
  • Mavicシリーズ(DJI)

これらはすべて「マルチコプター(回転翼航空機)」に分類されます。

つまり、Phantom 4で5時間、Inspire 2で3時間、Mavicで2時間飛行した経験があれば、合計10時間で「マルチコプターの経験」としてカウントでき、マルチコプターでの許可申請が可能です。

一方で、もし固定翼型ドローン(小型飛行機のような形)で申請をする場合は、別途その固定翼型で10時間以上の飛行経験が求められるため、形状による分類には十分注意が必要です。


2. 安全運航に関する知識:操縦者が知っておくべき内容

単に飛ばしたことがあるだけでは不十分です。国土交通省は、操縦者が安全に運航するための基礎知識を有していることも求めています。

特に問われるのは、以下のような知識です

  • 気象状況の判断(風速、降雨、視程など)
  • ドローン機体の点検項目(モーター、プロペラ、バッテリー等)
  • 機体の安全機能の理解(フェールセーフ機能、GPS補正、ホームリターン機能)
  • 飛行禁止空域や航空法に基づく制限(空港周辺、高度制限、第三者の上空など)

これらは、万が一トラブルが発生した場合にも落ち着いて対応できる知識として重視されます。


3. 実践的スキル:不安定な環境でも操縦できるか

申請においては、ドローンを安定した環境だけでなく、不安定な状況でも安全に飛ばせる能力が問われます。たとえば、以下のような場面です

  • GPSが利用できない状況(屋内や高架下など)
  • バッテリー残量の確認と判断
  • 周囲の安全確認(人や建物の位置、進入禁止エリアの把握)

これらは、いわば「実戦能力」に相当し、日頃から訓練しておくことが求められます。


ドローンスクールの受講は有効な選択肢

飛行経験や知識を独学で身につけることも可能ですが、効率よく安全に習得する方法として、国土交通省が認定するドローンスクールの受講が有効です。

ドローンスクールでは、次のような内容を体系的に学ぶことができます

  • 飛行練習(種類ごとに10時間以上の練習も支援)
  • 安全知識や法律の講習
  • 実技試験・筆記試験(※修了証が交付される場合も)

スクール修了証を取得していれば、許可申請時の「操縦者の能力証明」の補足資料として非常に有効です。特に初めて許可申請を行う方にはおすすめです。


実際の申請で必要な書類や証明方法

操縦者の飛行経験を証明するには、以下のような資料が使用されます

  • 飛行日誌(日時、機体名、飛行場所、時間などを記録)
  • スクールの修了証明書
  • 操縦者の資格証(無人航空機技能認定など)

書類はフォーマットが決まっているわけではありませんが、第三者が見ても明確に判断できる内容であることが求められます。


江東区・那覇市での申請における注意点

江東区のような都市部や、那覇市のような交通・空港が集中する地域では、航空法や地理的制限に加え、独自の条例や地元警察への届出が必要になる場合もあります。

  • 東京湾沿岸部やビル密集地域の飛行
  • 那覇空港周辺での飛行や港湾地域の利用
  • 第三者が多くいるイベントでの空撮

このようなケースでは、国交省の飛行許可だけでなく、追加の調整・申請手続きが必要となるため、事前の情報収集と計画が欠かせません。


まとめ 安全な飛行のために、確かな準備を

ドローンの飛行許可申請において、「操縦者の審査」は単なる形式的な条件ではなく、安全飛行の根幹をなす重要な要素です。ご自身で実績を積む場合も、スクールを活用する場合も、確実な飛行経験と安全知識をもって申請することが成功への第一歩となります。

江東区や那覇市のような飛行環境に制限の多い地域では、より慎重な準備が求められます。当事務所では、実際の申請書類作成や必要書類のアドバイスも行っておりますので、安全・確実な申請のために、正しい情報をもとに行動していきましょう。

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