社会保険未加入の場合のリスクとは?建設業許可との関係を徹底解説

建設業を営む上で、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入は避けて通れない課題です。かつては「従業員も少ないし、社会保険に入らなくても問題ない」と考える事業者も少なくありませんでした。しかし現在では、国土交通省と厚生労働省が連携して建設業における社会保険の加入徹底を強力に推進しています。

特に、東京都江東区や沖縄県那覇市で建設業許可を申請する際には、社会保険未加入であることが大きなリスクとなり得ます。本記事では、社会保険未加入の場合にどのような不利益があるのか、また建設業許可申請との関係について詳しく解説します。

目次

1. 社会保険未加入のまま事業を続けるとどうなるのか?

社会保険(健康保険・厚生年金)は法人であれば強制加入が原則です。個人事業の場合も、従業員を常用的に雇っている場合には加入義務があります。未加入のまま事業を継続すると、以下のようなリスクが発生します。

  1. 行政からの是正指導
    年金事務所や労働基準監督署から調査が入り、加入勧奨や是正指導を受ける可能性があります。繰り返し加入を拒むと、強制加入手続きや過去に遡った保険料の徴収につながることもあります。
  2. 過去に遡った保険料の負担
    未加入が発覚した場合、最大2年間分の保険料を遡って徴収される可能性があります。事業者負担分と従業員負担分の両方をまとめて支払う必要があり、経営に大きな影響を及ぼします。
  3. 従業員の不利益と労使トラブル
    従業員が社会保険に加入できない状態が続けば、病気やケガの際の保障が不十分となり、不満が高まります。転職や労使トラブルの原因となり、人材確保にも悪影響を及ぼします。

2. 建設業許可申請と社会保険の関係

建設業許可の審査において、社会保険の加入状況は重要な確認事項のひとつです。国は「社会保険に加入していない事業者は適正な経営基盤を有していない」と判断する傾向が強まっています。

  1. 新規許可申請での影響
    社会保険に未加入の状態では、原則として許可が認められません。法人の場合は必ず加入済みであることが前提です。個人事業であっても、常勤従業員がいれば同様です。
  2. 更新申請での影響
    許可の更新時に未加入が判明すれば、更新が認められず、許可失効につながるリスクがあります。
  3. 経営事項審査(経審)での影響
    社会保険に加入していない場合、経審の点数が大幅に減点されます。公共工事を請け負うことが難しくなり、元請からの受注機会を失う原因にもなります。

3. 下請事業者としての立場の悪化

元請業者も、下請けとして協力する業者が社会保険に未加入である場合、現場での使用を避ける傾向が強まっています。

  • 公共工事では特に、未加入業者を現場に入れない方針を取る発注者が増えています。
  • 民間工事でも、コンプライアンス意識の高まりにより、社会保険未加入業者は排除されやすくなっています。

つまり、社会保険未加入は 取引先からの信用喪失 に直結するのです。

4. 社会保険未加入による具体的な経営リスク

  1. 入札・契約から排除される
    江東区や那覇市においても、公共工事の入札条件に「社会保険加入済みであること」が必須とされています。未加入のままでは、そもそも入札参加資格を得られません。
  2. 金融機関からの評価低下
    融資や補助金申請の際、社会保険の加入状況は経営の健全性を判断する指標のひとつです。未加入だと資金調達にも不利になります。
  3. 優秀な人材の採用困難
    社会保険未加入の企業は「福利厚生が不十分な会社」と見られ、技術者や若手人材から敬遠されます。
  4. 突然の多額請求リスク
    是正指導を受ければ、数百万円規模の保険料を一括で請求されるケースもあり、中小企業にとっては致命的な打撃となり得ます。

5. 江東区・那覇市の事業者が押さえておくべきポイント

  • 法人は必ず加入が必要
    江東区・那覇市いずれにおいても、法人形態で建設業を営む場合は例外なく社会保険加入義務があります。
  • 個人事業主でも従業員がいれば加入が必要
    常勤の従業員を雇う場合は、個人事業でも社会保険加入が求められます。
  • 労働保険(雇用保険・労災保険)も忘れずに
    社会保険だけでなく、労働保険の加入状況も建設業許可審査でチェックされます。
  • 事前相談が重要
    申請時の不備や認識違いを防ぐため、東京都庁、沖縄県庁、または最寄りの行政書士に事前に確認しておくことが安心です。

6. まとめ

社会保険未加入は、事業の継続そのものを危うくする大きなリスクです。

  • 行政からの是正指導や遡及保険料の請求
  • 建設業許可の新規・更新の不認可
  • 入札・取引からの排除
  • 従業員や採用面での不利

これらのリスクを考えると、社会保険未加入を放置することは極めて危険だといえます。江東区や那覇市で建設業を営む皆さまは、必ず社会保険の加入を済ませ、安心して許可申請や事業運営ができる体制を整えてください。

建設業許可申請に精通した行政書士見山事務所までお気軽にご相談下さい。

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