自分の死後は医学研究に資する献体をしてほしい、このような場合の遺言について

献体とは、死後に自らの身体を医科大学等で医学の研究に役立ててもらうことをいいます。沖縄県内では琉球大学医学部付属病院がありますが、死後に献体を行なうためには、生前に献体を希望する医科大学等に登録をしておく必要があります。

遺言として献体を希望する場合のポイントについて見ていきます。

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献体を希望する遺言のポイント

まずは生前に献体を希望する医科大学等に登録をするわけですが、その登録が済ませてあることと併せて、登録番号を遺言書に記載しておくことをおすすめします。

次に、献体を実際に行なうかどうかは、医科大学等から家族へ確認が求められますので、献体を希望する旨を家族に話をしておくことも必要です。

そして献体が終わった後、自らの遺骨の取り扱いをどうするかも遺言で指示しておくことが必要となります。

献体において注意する点について

遺言者の死後に、遺族が遺言を見て初めて献体の意向を知るようですと、気持ちの整理がつかず、献体に反対する人が出てくることもあり得ます。あるいは葬儀が慌ただしく済んだ後、火葬が済んでしまったから遺族が遺言で献体の意向を知った(通常はそれが普通かと思います)のでは、どうにもなりません。生前から献体を希望する旨を主だった人には伝え、了解を得ておきましょう。

そして、死後に通夜・告別式を済ますのか、または遺体を医科大学等に搬送するのが先なのかについても、決めておきましょう。先に搬送した場合、献体による実習が行われるのが数年先となることは珍しくないからです。

実習終了後に遺体は医科大学等により荼毘に付されますが、遺骨を遺族に戻してほしければその意向を大学と遺族の両方に伝えておかねばなりません。

これらの点について、生前に口頭で伝えたり、大切な部分は遺言の中で記載しておきましょう。

ちなみに、死後の遺体は法律上「物」として扱われます。よって生前に「物」となった自分の身体を医科大学等へ献呈することを遺言で自由に決められるわけです。ただし家族等の承諾が求められますので、生前に了解を取っておきましょう。

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