海外在住の外国人を日本に中長期在留者として呼び寄せる際、在留資格認定証明書交付申請が必要です。一般的に、この申請は日本国内にいない外国人が直接行うことはできないため、代理人による申請が行われます。しかし、代理人になれるのは誰かについては、法律に明確な規定があります。ここでは、代理人がなれる条件や手続きの流れについて詳しく解説します。
原則は本人申請
日本の入管法(出入国管理及び難民認定法)では、各種手続きをする際には基本的に外国人本人が直接出頭して申請することが原則とされています(入管法61条9の3)。これは、日本における滞在資格を取得する際の基本的な考え方です。しかし、実際には海外に住んでいる外国人が日本に呼び寄せられる場合には、代理人を立てて手続きを進める必要があります。
在留資格認定証明書交付申請の代理人
在留資格認定証明書交付申請については、外国人本人が日本にいないため、申請は代理人を通じて行うことになります。この代理人に関しては、入管法第7条第2項に基づき、外国人を受け入れようとする機関の職員、または法務省令で定められた者が代理人となることができます。
法務省令で定められた代理人
「法務省令で定める代理人」とは、具体的にはどのような人を指すのでしょうか。入管法施行規則第6条第2項において、申請代理人として認められる者が定められています。例えば、以下のような者が該当します。
- 受け入れ機関の職員: 例えば、外国人が「技術・人文知識・国際業務」ビザで日本に来る場合、その外国人が契約を結ぶ本邦の機関の職員(通常は会社の代表者など)が申請代理人として認められます。
- 企業の代表者: 外国人が企業で働く場合、その企業の代表者や指定された職員が代理人として手続きを行います。これにより、企業が外国人を雇用するための手続きが円滑に進むことが可能です。
- 行政書士や弁護士: 行政書士や弁護士は、出入国在留管理官署への書類提出を代行することができます。ただし、申請書の申請代理人欄には、日本国内にいる申請代理人が署名することが原則となります。これにより、申請の正式な受理が確保されます。
代理人がなれる条件
代理人として認められるためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 日本国内に在住していること: 申請代理人は日本国内に在住している必要があります。これは、日本国内の法律や規則に基づいて手続きを行うため、代理人が日本国内にいることが求められるためです。
- 受け入れ機関との関係性: 受け入れ機関が外国人を招聘するための手続きを行う際には、代理人がその機関の職員であることが必要です。これにより、申請内容が受け入れ機関の意向と一致することが確認されます。
- 適切な権限を持っていること: 代理人は、外国人を日本に呼び寄せるための手続きを進めるための適切な権限を持っている必要があります。これには、必要な書類の提出や手続きの確認などが含まれます。
申請手続きの流れ
申請手続きの流れとしては、以下のようになります。
- 申請準備: 代理人は、外国人が日本に呼び寄せられるために必要な書類を準備します。これには、在留資格認定証明書交付申請書、外国人のパスポートのコピー、受け入れ機関の証明書などが含まれます。
- 書類の提出: 準備した書類を、外国人が滞在する予定の日本国内の入国管理局(出入国在留管理官署)に提出します。この際、代理人が申請書に署名し、提出します。
- 申請の受理と審査: 提出された書類が受理されると、入国管理局による審査が行われます。審査には一定の時間がかかるため、申請者には審査の進捗状況について定期的に確認することが求められます。
- 結果の通知: 審査が終了すると、在留資格認定証明書が発行されます。この証明書をもって、外国人は日本への入国手続きが行えるようになります。
まとめ
外国人を日本に呼び寄せるための申請手続きにおいて、代理人の選定は重要な要素です。法務省令で定められた代理人として、受け入れ機関の職員や、日本国内に在住する行政書士や弁護士が認められます。代理人は、日本国内にいることが求められ、適切な権限を持って手続きを進める必要があります。申請手続きを円滑に進めるためには、代理人の選定と書類の準備が重要です。外国人の受け入れに関する手続きで困った場合は、専門の行政書士に相談することをお勧めします。