鉄筋工事業の建設業許可を取得しよう!工事内容や許可要件についての解説

鉄筋工事業は、建設業の中でも特に専門的な技術と経験が求められる業種です。沖縄県那覇市や東京都江東区で建設業を営む方々にとって、鉄筋工事業の建設業許可は重要な一歩となることでしょう。本記事では、鉄筋工事の内容や許可を取得するための要件について、詳しく解説します。

鉄筋工事業とは?

鉄筋工事業は、棒鋼などの鋼材を加工し、接合し、組み立てる工事を行う業種です。この工事は、建物や土木構造物の骨格部分を形成するため、非常に重要な役割を果たします。具体的には以下のような工事が含まれます。

1. 鉄筋加工組立て工事

鉄筋加工組立て工事は、鉄筋を建物や構造物の形状に合わせて加工し、現場で組み立てる作業を指します。これには、鉄筋の切断、曲げ、配筋(鉄筋の配置)などが含まれ、構造物の強度や安全性に直接影響を与えます。

2. 鉄筋継手工事

鉄筋継手工事は、鉄筋を接合する作業です。建物の高さや構造によって鉄筋の長さが足りなくなる場合、鉄筋をつなげる必要があります。主な方法として、ガス圧接継手、溶接継手、機械式継手などがあります。

鉄筋工事は、建物や橋梁などの基礎を支える重要な作業であり、工事の品質が建築物の耐久性や安全性に大きく関わります。そのため、鉄筋工事を行うには専門的な知識と技術が不可欠です。

鉄筋工事業の許可が必要なケース

鉄筋工事業を営むためには、500万円以上の工事を請け負う場合、建設業許可が必要となります。この500万円という基準は、工事一件あたりの金額であり、材料費や労務費を含んだ総額です。

さらに、元請業者として鉄筋工事を請け負い、下請業者に合計4,500万円以上の発注をする場合は、特定建設業許可が必要になります。これは一般的な建設業許可とは異なり、より高い基準を満たす必要があるため注意が必要です。

鉄筋工事業の許可が必要な場面

  • 500万円以上の鉄筋工事を請け負う場合
  • 元請業者として4,500万円以上の発注をする場合

こうしたケースでは、適切な許可を取得していないと法律違反となる可能性があるため、しっかりと許可を取得しておきましょう。

鉄筋工事業のよくある誤解

建築一式の建設業許可を持っていれば、鉄筋工事も自由に請け負えるという誤解がよくあります。しかし、これは正しくありません。

一式工事業の誤解

「建築一式工事業の許可があれば、すべての専門工事を請け負える」という誤解が多く見られますが、建築一式工事業の許可はあくまで大規模な建物の建設や改修を一貫して行う場合にのみ適用されます。例えば、鉄筋工事のみを請け負う場合は、専門の「鉄筋工事業」の許可が必要です。

特に、鉄骨組立てや配筋などの専門工事を中心に請け負う場合、建築一式工事業の許可だけでは不十分です。この誤解が原因で、後にトラブルが発生することもあるため、正しい許可を取得することが重要です。

鉄筋工事業の専任技術者要件

建設業許可を取得するためには、営業所に専任の技術者を配置する必要があります。専任技術者は、その業種に関する専門的な資格や実務経験を持っていることが求められます。

専任技術者として認められる資格

鉄筋工事業の専任技術者になるためには、以下の資格が必要です。

  • 一級建築施工管理技士
  • 二級建築施工管理技士(躯体)
  • 鉄筋組立てや鉄筋施工の技能士
  • 監理技術者資格者

また、技能士の場合は「鉄筋施工図作成作業」と「鉄筋組立て作業」の両方に合格している必要があります。二級建築施工管理技士の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要です。

特定建設業許可の場合

特定建設業許可を取得する場合、専任技術者として認められるのは一級建築施工管理技士や監理技術者資格者に限られます。この点は、一般建設業許可との違いであり、特定建設業許可を取得する際には注意が必要です。

指定学科の卒業+実務経験

鉄筋工事業に関連する指定学科を卒業している場合、実務経験を短縮して専任技術者になることができます。具体的には以下のような学科が指定されています。

  • 建築学
  • 機械工学
  • 土木工学

これらの学科を高校や大学で学んだ場合、卒業後に3年(大学)または5年(高校)の実務経験を積むことで、専任技術者になる資格が得られます。

実務経験による専任技術者資格の取得

資格がなくても、鉄筋工事業において10年以上の実務経験があれば、専任技術者として認められます。特に、実務経験を証明するためには、工事請負契約書や作業報告書など、業務に従事していたことを示す具体的な書類が必要です。

改正による要件緩和

2023年7月1日から、専任技術者の要件が一部緩和されました。以前は大学や高校の指定学科を卒業していない場合、10年以上の実務経験が必要でしたが、施工管理技士試験に合格していれば、より短い実務経験で専任技術者となることが可能になりました。

例えば、一級施工管理技士試験に合格した場合、大学卒業と同様に3年の実務経験で専任技術者資格が得られます。これにより、より多くの人が専任技術者として活躍できる機会が広がりました。

鉄筋工事業の建設業許可を取得するための手続き

鉄筋工事業の建設業許可を取得するためには、以下の要件を満たし、必要な書類を揃える必要があります。

1. 専任技術者の配置

前述したように、専任技術者を配置することが必須です。資格や実務経験を証明する書類を準備しましょう。

2. 経営業務の管理責任者の配置

経営業務の管理責任者は、会社の経営に携わっている者であり、5年以上の建設業経営の実績を持つ必要があります。過去に建設業許可を受けた企業での経営経験や、企業の役員としての在籍期間を証明する書類を提出します。

3. 財産的基礎または金銭的信用の証明

会社が安定して事業を継続できるかどうかを示すための財産的基盤を証明する必要があります。具体的には、純資産額が500万円以上あることや、直近の決算書で黒字であることが求められます。

4. その他の必要書類

  • 事業計画書
  • 会社の定款
  • 役員の履歴書や証明写真

これらの書類を揃えたうえで、管轄の建設業許可を管轄する役所に申請します。

まとめ

鉄筋工事業は、専門的な技術と知識が必要な業種です。そのため、建設業許可を取得する際には、専任技術者や経営業務の管理責任者の要件を満たすことが重要です。沖縄県那覇市や東京都江東区で鉄筋工事業を営む場合も、適切な許可を取得し、法令に基づいた事業運営を行うことが大切です。

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