板金工事業とは 板金工事業の建設業許可を取るための方法を徹底解説

板金工事業は、金属薄板などを加工して建築物に取り付けたり、外壁や内装の装飾の一部として活用する工事を指します。この記事では、沖縄県那覇市や東京都江東区にお住まいで板金工事業の建設業許可を検討されている方に向け、必要な工事内容や許可取得のための要件について詳しく解説します。

板金工事とは

板金工事は、以下のような金属素材を使用して施工する工事を含みます。

  • 板金加工取付け工事:さまざまな建物の装飾や強度を保つために金属板を取り付ける工事です。
  • 建築板金工事:外壁や内装にステンレスやカラー鉄板などを張り付け、耐久性を向上させる工事です。
  • ステンレス張付け工事:キッチンや風呂場など水回りの壁面にステンレス板を張り付け、腐食防止の効果を高める工事です。
  • カラー板金張付け工事:耐久性や美観を保つため、外壁などにカラーバリエーションのある金属板を用いる工事です。

板金工事業に建設業許可が必要なケース

板金工事業の建設業許可は、500万円以上の工事を請負う際に必要です。日本では、板金工事は専門工事業種の一つとして認められており、許可がない場合は500万円未満の工事のみ可能です。

また、元請業者として板金工事を請け負い、下請業者に対して合計4,000万円以上の発注を行う場合には、特定建設業許可が必要となります。この点は特に重要で、金額の規模により許可の要件が異なるため、注意が必要です。

板金工事業と屋根工事業の違い

屋根に取り付けられる素材が「瓦」「スレート」「金属薄板」など異なることがありますが、これらはあくまでも「屋根工事」として分類されます。したがって、屋根に金属板を用いる場合は屋根工事業の許可が必要であり、板金工事業の許可とは異なります。

板金工事業に関するよくある誤解

よくある誤解の一つが、「建築一式工事の許可を持っていれば、板金工事も金額制限なく請け負える」というものです。しかし、建築一式工事業の許可は一式工事のみ金額制限なく行えるもので、板金工事業としての許可がなければ、500万円以上の板金工事を請け負うことはできません。

例えば、新築の建築一式工事ではなく、ビル外壁の板金工事を行う場合は、板金工事業としての建設業許可が必要です。許可の範囲を誤解すると、後で問題が発生することもありますので注意が必要です。

板金工事業の専任技術者要件

板金工事業の建設業許可を取得するためには、専任技術者を配置する必要があります。これは、建設業法で求められるもので、業種ごとに一定の資格や実務経験を持つ技術者を設置することで、適正な工事を行う体制を整えることを目的としています。

専任技術者になれる資格

板金工事業で専任技術者として認められる資格は次の通りです。

  1. 一級建築施工管理技士
  2. 二級建築施工管理技士(仕上げ)
  3. 監理技術者資格者(板金工事業)
  4. 技能士:指定職種は建築板金、工場板金、打出し板金などが含まれます。

技能士の場合、二級資格であれば合格後3年以上の実務経験が必要です。

特定建設業許可の場合

特定建設業許可が必要な場合には、より高い技術者要件が求められます。一級建築施工管理技士や監理技術者資格者のみが専任技術者として認められるため、取得に際しては事前に確認しておきましょう。

実務経験による専任技術者要件の充足

資格がない場合でも、板金工事に関する10年以上の実務経験がある場合は、専任技術者として認められます。また、指定学科の高卒で5年、大卒で3年の実務経験があれば、要件を満たせる場合もあります。

板金工事業に関する指定学科

  • 建築学:建築科、建築設備科など
  • 機械工学:機械科、機械システム科など

上記の学科を卒業している場合、指定学科と見なされ、必要な実務経験期間の短縮が認められることがあります。ただし、学科が該当するかどうかは個別相談により判断される場合もありますので、事前に履修証明書などを準備し、確認しておくと安心です。

実務経験証明方法

実務経験による要件を満たすためには、次の書類が必要です。

  • 被保険者記録照会回答票:厚生年金の加入期間を証明します。
  • 建設業許可通知書の写し:許可取得会社での経験期間を証明します。
  • 工事請負契約書:500万円以下の工事を請負っていた場合の証明書類として利用できます。

企業が建設業許可を受けているかどうかで必要書類が異なりますので、許可取得前の確認をお勧めします。

許可あり企業での経験の場合

許可のある企業で経験を積んでいた場合、建設業許可通知書や専任技術者証明書などが求められます。申請先の自治体によっては、許可の通知書が不要な場合もありますので、該当自治体に確認してください。

許可なし企業での経験の場合

許可がない企業での経験も、証明書類が揃っていれば認められることがあります。工事請負契約書や注文書、請求書などを活用し、過去の実務経験を証明しましょう。

専任技術者の健康保険証の写しによる証明

専任技術者が申請企業に常勤であることを示すために、健康保険証の写しを提出する必要があります。健康保険証に企業名が記載されていない場合、住民税の特別徴収税額通知書や、法人税申告書なども用いて常勤性を証明できます。

板金工事業の建設業許可申請に関するまとめ

建設業許可を取得するための要件や手続きは複雑で、多くの書類や証明書が必要です。申請の際には、那覇市や江東区の地域窓口に相談し、具体的な書類の準備方法や、実務経験の証明方法についてアドバイスを受けるのも有効です。

板金工事業は建築物の耐久性や美観を高めるために重要な業種であり、適切な許可を取得して安全かつ合法的な事業運営を行いましょう。

目次