
外国人社員が日本で就労するためには、在留資格(就労ビザ)を定期的に更新する必要があります。しかし、業務命令による海外出張や海外駐在がある場合、更新時期と出国時期が重なってしまうことがあります。このような状況では、どのように対応すればよいのでしょうか。本記事では、就労ビザの更新手続きの基本と、出国中に更新時期が重なった場合の対処法について詳しく解説します。
1. 就労ビザの更新手続きの基本
就労ビザの更新は、現在の在留期間が満了する前に行う必要があります。通常、以下の流れで手続きを進めます。
更新手続きの流れ
- 申請可能期間
在留期間の満了日の3か月前から申請が可能です。例えば、在留期限が12月1日の場合、9月1日から申請できます。 - 必要書類の準備
- 在留資格更新許可申請書
- パスポート
- 在留カード
- 勤務先の会社が発行する在職証明書や給与証明
- 直近の納税証明書(住民税の課税・納税証明書)
- 会社の登記事項証明書や決算書など(必要に応じて)
- 入国管理局への申請
居住地を管轄する出入国在留管理局に申請します。通常、申請から結果が出るまで1か月から2か月程度かかります。 - 許可後の在留カード更新
許可されると、新しい在留カードが交付され、次の在留期限が設定されます。
2. 出国中にビザの更新手続きはできるのか?
結論として、外国人本人が日本にいない状態では在留資格の更新手続きはできません。出入国在留管理局は、申請時に外国人本人が日本国内に滞在していることを求めており、海外にいる状態では手続きを進めることができません。
理由
- 入国管理局のシステム上の制約
出入国在留管理局は、外国人の出入国履歴をデータベースで管理しているため、本人が海外にいることが確認された場合、更新申請は受理されません。 - パスポートや在留カードの提出が必要
更新申請にはパスポートと在留カードの原本が必要ですが、これらを海外から郵送しても手続きはできません。 - 代理申請でも日本国内にいることが必須
行政書士などに代理申請を依頼する場合でも、申請時点で本人が日本に滞在している必要があります。
3. 更新時期と海外出張が重なった場合の対処法
就労ビザの更新時期と海外出張が重なる場合、事前に適切な対応を取ることが重要です。
(1) 早めに更新手続きを行う
在留資格の更新は在留期限の3か月前から可能です。出国予定がある場合は、出国前に手続きを済ませるのが理想的です。例えば、在留期限が12月1日で、10月に海外出張が決まっている場合、9月中に更新手続きを行えば問題なく対応できます。
(2) 一時帰国して更新手続きをする
出国中に在留期限が迫っている場合は、一時帰国して更新手続きを行う必要があります。
- 短期の海外出張であれば、日本に戻ってからすぐに更新申請を行う。
- 長期の海外駐在の場合は、可能であれば駐在前に更新を済ませる。
(3) 特例措置が適用されるケース
通常、在留資格の更新は日本国内でのみ行えますが、以下のケースでは特例的に対応が可能な場合があります。
- 災害や戦争など、やむを得ない事情で帰国できない場合。
- 会社の都合で緊急の長期出張が決まり、一時帰国が難しい場合。
これらのケースでは、出入国在留管理局に個別に相談し、特例措置を検討することができます。ただし、認められるかどうかは状況次第なので、事前に確認が必要です。
4. 申請を忘れた場合のリスク
在留期限を過ぎても更新手続きをしていない場合、以下のようなリスクが発生します。
- オーバーステイ(不法滞在)となる
在留資格が失効すると、日本に滞在することが違法となり、最悪の場合、強制退去の対象になります。 - 再入国許可が無効になる
在留期限を過ぎた状態で日本に戻ることはできません。一度日本を出国すると、新たに「在留資格認定証明書」を取得し、海外の日本大使館でビザを再取得する必要があります。 - 就労不可となる
在留資格が切れると、日本での就労は認められなくなり、勤務先にも影響を与える可能性があります。
5. まとめ
就労ビザの更新は、日本国内でしか手続きができず、本人が日本に滞在していることが必須条件です。海外出張や駐在と更新時期が重なる場合は、事前に計画を立てて対応することが重要です。
対応策としては、以下の方法が考えられます。
- 在留期限の3か月前から手続きが可能なので、できるだけ早めに申請する。
- 出国前に更新を済ませるか、一時帰国して更新を行う。
- どうしても対応が難しい場合は、出入国在留管理局に相談し、特例措置の可能性を確認する。
在留資格の更新を忘れてしまうと、日本での滞在や就労に大きな影響が出るため、十分に注意しましょう。事前の準備と適切なスケジュール管理が、スムーズなビザ更新のカギとなります。