就労ビザ(在留資格)の更新手続きとは?更新時の注意点や事前準備について解説

東京都江東区や沖縄県那覇市で外国人社員を雇用している企業の皆さま、また就労ビザで日本に在留されている外国人の皆さまにとって、「就労ビザ(在留資格)」の更新手続きは非常に重要です。

在留期間が満了する前にきちんと更新手続きを行わなければ、不法滞在のリスクや就労継続ができなくなる問題が発生してしまいます。

本記事では、「就労ビザの更新はいつからできるのか」「会社と本人それぞれの役割」「行政書士を活用すべきケース」などを含め、実務的かつ具体的に解説していきます。

目次

就労ビザの更新は3ヶ月前から可能

まず大前提として、就労ビザ(在留資格)の更新手続きは、在留期限の3か月前から申請可能です。

例えば、在留期限が「7月1日」である場合、最も早くて「4月1日」から申請が可能となります。

更新は「在留資格更新許可申請」という手続きになりますが、審査には通常2週間から1か月程度かかるため、できるだけ余裕をもって手続きを進めることが重要です。

会社が忘れてはならない「ビザ更新の管理」

外国人社員のビザ更新は、本人が自ら行う手続きです。会社の総務担当者や人事担当者が、社員に代わって入管へ申請を行うことはできません。

ただし、ここで大切なのは、「更新は本人任せにしない」ということです。

企業側も、社員の在留期限をきちんと管理し、以下のような社内ルールを設けることをおすすめします。

  • 社内でビザ更新対象者の名簿管理
  • 期限の6か月前・3か月前にリマインド
  • 更新準備のための書類(雇用証明・給与台帳など)の早期準備

在留期限を過ぎてしまえば、たとえ1日でも不法滞在となり、重大なペナルティが課される可能性もあるため、会社としての管理体制は非常に重要です。

会社が直接申請できないが、「行政書士」は代理申請が可能

上述のとおり、会社の担当者が入国管理局に代わりに申請を出すことは認められていません。在留資格更新手続きは、あくまで外国人本人が申請主体です。

では、本人が多忙で入管に行く時間が取れない場合、どうしたらいいのでしょうか?

そのようなときに活躍するのが、行政書士です。

行政書士の役割

  • 外国人本人から依頼を受けた上で、申請取次者として代理申請が可能
  • 必要書類の案内・作成・提出まで一貫してサポート
  • 入国管理局とのやりとりにも対応

特に、会社が決算書や法定調書合計表などの内部資料を外国人本人に見せたくない場合でも、行政書士を介して間接的に情報を提供することができます。

企業と外国人本人の橋渡し役として、非常に有効な存在です。

就労ビザ更新の審査ポイント

では、更新申請がスムーズに通るには、どういった条件が必要になるのでしょうか?

基本的には、次の2点を満たしていることが前提となります。

1. 職務内容が当初と変わっていない

当初取得した在留資格の職務内容と、現在の実際の業務が一致しているかが確認されます。

たとえば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持っている外国人社員が、実際には現場作業員や単純労働をしている場合、更新許可されない可能性があります。

2. 勤務先が変わっていない

転職や出向などで勤務先が変わっている場合は、更新ではなく「在留資格変更許可申請」が必要になる可能性があります。

「新規事業」で取得した就労ビザは、更新時に実績が問われる

要注意なのは、最初の就労ビザ取得の際に、会社側が「新規事業を立ち上げるためにこの外国人が必要だ」と説明して在留資格を取得したケースです。

この場合、更新のタイミングで、入管から次のような質問や資料提出を求められることがあります。

  • 「その外国人が実際にどんな仕事をしてきたか証明してください」
  • 「事業はどれだけ進展しましたか?成果物はありますか?」

具体的には以下のような資料提出を求められます。

  • WEB制作で就労していた場合:  完成したWEBサイトのURL、制作物の資料、発注書など
  • 貿易業務であった場合:  インボイス(商業送り状)、契約書、通関書類など

このように、「当初の説明と実際の業務に乖離がないか」が厳しくチェックされるケースがあるため、事前に実績を整理し、根拠資料を準備しておく必要があります。

就労ビザ更新におけるリスクと注意点

就労ビザの更新は「必ず許可されるもの」ではありません。出入国在留管理庁(入管)は、以下のような観点から審査を行います。

  • 申請内容に虚偽がないか
  • 在留中の素行に問題がないか(納税・違反等)
  • 業務内容が資格に合致しているか
  • 会社の経営状況に問題がないか(赤字決算等)
  • 外国人社員の生活状況が安定しているか

とくに注意が必要なのは、「学歴と職務内容が合っていない場合」や「業務を実際に行っていない場合」です。

たとえば、経営学部出身の外国人がITエンジニアとしてビザを取得していたが、実際には現場作業しかしていない、という場合、虚偽申請として不許可や在留資格取り消しのリスクもあります。

行政書士に依頼するメリット

外国人本人が申請する場合でも、申請書の記載内容や添付書類の不備があると、不許可となるケースもあります。また、不明点があれば入管から追加書類を求められ、結果として時間がかかることも。

行政書士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。

  • 書類作成・提出をすべて代行
  • 入管とのやりとりを代理で対応
  • 不許可リスクを最小限に抑えられる
  • 会社との連携もスムーズに対応

まとめ|就労ビザの更新は“早めの準備”と“正確な申請”が鍵

  • 就労ビザの更新は在留期限の3か月前から申請可能
  • 申請は外国人本人が行うが、行政書士に代理申請を依頼可能
  • 職務内容や勤務先が変わっていない場合は比較的スムーズ
  • 新規取得時の説明と異なる実績や職種変更には注意
  • 虚偽申請と判断されると最悪不許可や取消処分も
  • 更新手続きは早めに動き、行政書士のサポートを活用するのが安心

行政書士見山事務所(東京都江東区・沖縄県那覇市)では、就労ビザの更新・変更・永住申請などを幅広くサポートしています。

外国人社員の在留管理にお悩みの企業担当者さま、手続きが不安な外国人本人の方も、お気軽にご相談ください。

目次