
前回の記事では、「建設業許可の取得までにかかる期間」について、概ね都道府県知事許可で3ヶ月、大臣許可で6ヶ月を要することをお伝えしました。
今回はそれに関連して、建設業許可をスムーズに取得するために必要な「事前準備」について、沖縄県那覇市や東京都江東区の皆さまに向けて実践的なポイントをご紹介します。
許可の取得は「準備が9割」といっても過言ではありません。事前に正しい手順と準備項目を把握しておくことで、申請後のトラブルや時間のロスを避けることができます。
1. 建設業許可を申請する前に確認すべき「5つの要件」
建設業許可の申請において、まず立ちはだかるのが「許可要件」です。以下の5つを満たしていなければ、どれだけ書類が整っていても申請は通りません。
要件1:経営業務の管理責任者(経管)がいること
申請者の代表者や役員などの中に、建設業の経営に5年以上関わった経験を有する人が必要です。個人事業主であれば本人でも構いません。
→ ポイント: 会社役員の経験があっても、建設業以外では不可。雇用保険の加入履歴や確定申告書の控えで証明するケースが多いです。
要件2:専任技術者がいること
建設工事を指導・監督できる技術者が常勤で1名必要です。建築士や施工管理技士の資格保持者、または一定年数以上の実務経験者が該当します。
→ ポイント: 在職証明書や資格証のコピーなど、具体的な証明書類を用意する必要があります。
要件3:誠実性があること
過去に不正や不誠実な行為により処分を受けたことがあると、許可を得られない場合があります。
→ ポイント: 特に過去5年以内に処分歴のある方や、破産経験者の方は、免責決定を得ているか確認しましょう。
要件4:財産的基礎があること
自己資本が500万円以上、またはそれに準じる資金調達能力があることが求められます。
→ ポイント: 預金残高証明書、決算書、融資証明書などで証明可能です。
要件5:欠格要件に該当しないこと
禁固刑を受けて5年を経過していない、破産後に復権を得ていない、過去に虚偽の申請を行った等の場合は欠格要件に該当します。
→ ポイント: 役員や5%以上の株主なども対象なので注意が必要です。
2. よくあるつまずきポイントと回避策
① 経管・技術者の証明ができない
つまずきがち
- 経験年数が足りない
- 実務経験の証拠書類がない
回避策
- 在籍企業からの在職証明書を取得
- 雇用保険の加入履歴をハローワークで取得
② 預金残高証明が足りない
つまずきがち
- 残高が500万円に満たない
- 名義が法人ではなく個人名義
回避策
- 不足分を融資で補い「資金調達能力あり」として申請
- 名義変更または法人口座での証明に切り替え
③ 過去のトラブル歴がある
つまずきがち
- 破産経験、刑事処分などがある
回避策
- 免責決定を取得していればOK
- 執行猶予満了後であれば、欠格要件には該当しない
3. 申請までの流れとスケジュール感
以下は、都道府県知事許可(那覇市や江東区)の一般的な流れです。
フェーズ | 期間 | 内容 |
準備段階 | 1〜2ヶ月 | 要件確認・書類集め・証明資料取得 |
書類作成 | 1週間〜2週間 | 申請書作成・添付書類整理 |
行政提出 | 申請日 | 窓口へ提出(那覇 or 新宿庁舎など) |
審査期間 | 約1ヶ月 | 行政庁での書類審査 |
許可取得 | 審査終了後 | 建設業許可通知・許可証交付 |
4. 行政書士のサポートを活用するメリット
建設業許可申請は、「書類を揃えるだけ」ではありません。
許可を取るためにどのように証明するか、どの書類で裏付けるかを判断する“専門的な知識”が求められます。
行政書士に依頼すれば、
- 要件確認をすぐに実施
- 書類の取得を代行
- スケジュール管理もお任せ
- 不備・指摘による再提出リスクを最小限に
特に、時間的余裕が少ない場合や、過去にトラブルがあった方には、行政書士による個別相談・戦略的申請サポートが大きな助けとなります。
5. まとめ 早めの準備で、確実・迅速に許可を取得しましょう
建設業許可の取得には「時間がかかる」とよく言われますが、正確には「準備に時間がかかる」のです。そしてその準備は、正しく段取りをすれば確実にスピードアップ可能です。
- 許可取得は事業の信用に直結します
- 公共工事や元請としての契約にも必須です
- 無許可での請負は、重大な法令違反となります
「建設業許可を取りたい」と思ったその日が、最も早いスタート地点です。
当事務所では、那覇市・江東区での建設業許可申請に豊富な実績がございます。地域ごとの行政対応も熟知しており、現地対応も可能です。
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