政治とカネの話の話はいつの時代にも、西洋東洋問わず不変のような話です。政治は社会を動かす心臓部である以上、こういった話は永遠になくならないのでしょう。
私が在籍していた当時でも、江東区議会では議員歴30年近くあり議長経験もあるベテラン自民党議員が入札情報を職員から聞き出し賄賂を受け取っていたとして、逮捕された事案がありました。国政でも地方政治でも、額は違えど同じような報道ばかりで、膨大な社会インフラを維持するコストのために借金まみれでやり繰りしているこの国で議論すべき課題は山積しているにもかかわらず、自分の懐にカネを入れる話ばかりや、くだらないスキャンダル話ばかりで、はっきり言って絶望を禁じ得ません(政治家を辞めた大きな理由のひとつです)。
2009年の都議選へ初選挙に出馬し2011年、2015年、2019年の江東区議選と4回の選挙を経験した者として、いったい何にカネがかかっているのか、述べてみたいと思います。
自民党タイプは人と飲み食いすることが集票活動の基本
最初に申し上げれば、私は政治家として本当にカネがかからないタイプでした。歳費=給料で暮らしていけないなどまったくなく、ちなみに東京23区議員の歳費は年収1000万円を超えます、むしろ良い生活ができていたと思います。それなのに自民党タイプの政治家はなぜあんなにカネが必要なのか。それは彼らがおこなっている日常の集票活動における基本スタイルにあります。
私は江東区の自民党国会議員の秘書を務めていたので、その現場を見てきました。なにをしているのかというと、ほぼ毎日どこかしらの団体・組織の会合へ出席をし、会費を払い、時によっては二次会まで付き合いをし、人と会い、飲み食いすることで集票活動をしています。団体・組織とは、例えば町内会や自治会などと地域団体、あるいは職域団体等を指します。また新年会や忘年会となれば、一日で20件くらいはしごすることもあり、一件あたり5,000円~10,000円の会費として平均を7,500円とすると×20件=150,000円くらいを一晩で使っている計算となります。これは一日としては多い例かと思いますが、自民党タイプの政治家はこんな生活をほぼ毎日しているのが日常です。
自民党の政治家がカネがかかると言っているのは、飲み食いする場に出席する費用と、それを全部回るためには議員本人だけでは回り切れないので、代理として出席させる秘書を採用したための人件費、この2つが大きくカネを必要とする理由です。要するに、有権者と飲み食いする席に通うためにカネを必要としているわけです。私の場合には、こういった組織・団体に呼ばれることがなく関わることがなかったので、必然的に会合へ呼ばれることがなく、政治にカネがかかりませんでした。
では、カネがかからない日常の集票活動として私がしていたことについては、次回に述べたいと思います。