
目次
1. はじめに
建設業許可の申請では、経営状況や法令順守状況を確認するため、さまざまな証明書の提出が必要です。その中でも「納税証明書」は、税金をきちんと納めているかを証明する重要書類です。
しかし一口に「納税証明書」といっても、種類や発行元、必要となる税目が異なります。特に都道府県知事許可か国土交通大臣許可かによって、取得先が変わります。
この記事では、沖縄県那覇市と東京都江東区の方が迷わずに納税証明書を準備できるよう、詳細な手順と注意点を解説します。
2. 納税証明書とは?
納税証明書とは、特定の税金について、納付状況や未納がないことを公的に証明する書類です。
建設業許可においては、欠格要件(税金滞納がある場合など)に該当しないことを確認するために提出します。
ただし、税金の種類ごとに証明書が異なり、必要な証明書を間違えると申請が受理されません。
3. 許可区分による取得先の違い
3-1. 都道府県知事許可の場合
- 発行元:都道府県税事務所(県税事務所)
- 対象税目:法人の場合は「法人事業税」、個人事業の場合は「個人事業税」
- 用途:県が管轄する建設業許可の申請
那覇市の場合
- 発行場所:沖縄県税事務所(那覇市にある南部合同庁舎内)
- 手数料:1通400円前後(県の規定による)
- 取得日数:即日交付可能(本人確認書類が必要)
江東区の場合
- 発行場所:東京都主税局 各都税事務所
- 江東区は「江東都税事務所」が管轄
- コンビニ交付不可(窓口または郵送請求)
3-2. 国土交通大臣許可の場合
- 発行元:国税庁管轄の税務署
- 対象税目:法人は「法人税」、個人は「所得税」
- 正式名称:国税に係る納税証明書(様式その3の3 または その3の2)
那覇市の場合
- 管轄税務署:那覇税務署
- 窓口またはe-Taxで請求可能
江東区の場合
- 管轄税務署:江東西税務署・江東東税務署(住所地による)
- 税務署窓口またはe-Taxで即日発行可能(事前納付済確認が必要)
4. 納税証明書の種類と選び方
税務署や県税事務所では、複数の納税証明書が発行されていますが、建設業許可申請で使えるのは限定的です。
主な種類
- その1:納付額証明(用途不適合)
- その2:完納証明(市町村用)
- その3の2:申告所得税・法人税の未納なし証明
- その3の3:事業税などの未納なし証明
ポイント
- 知事許可 → 県税事務所発行の事業税納税証明書
- 大臣許可 → 税務署発行の法人税・所得税の納税証明書(その3の2またはその3の3)
5. 取得の流れ
5-1. 知事許可(県税事務所)
- 県税事務所窓口へ行く(那覇市:沖縄県税事務所/江東区:江東都税事務所)
- 納税証明交付申請書に記入
- 本人確認書類を提示
- 手数料納付
- 即日交付
代理人請求の場合
- 委任状が必要
- 法人の場合は代表者印の押印が必須
5-2. 大臣許可(税務署)
- 税務署またはe-Taxから申請
- 「納税証明書(その3の2)」を選択
- 手数料は1通400円(収入印紙)
- 即日交付(納税データ反映後)
6. 那覇市での取得ポイント
- 県税事務所は朝一番が比較的空いている
- 沖縄は郵送請求も可能だが、返送に数日かかる
- 大臣許可の場合は那覇税務署が便利(駐車場あり)
7. 江東区での取得ポイント
- 江東都税事務所は西大島駅から徒歩圏内
- 税務署は江東西・江東東で分かれるため住所を確認
- 都税事務所の納税証明は郵送請求の方が待ち時間少なめ
8. よくあるミスと対策
- 税目間違い:「固定資産税」の証明を取ってしまう
- 期限切れ:発行から3か月経過した証明書は無効
- 未納発覚:わずかな延滞でも証明が発行されない
対策
- 申請前に未納税がないか確認
- 発行依頼時に「建設業許可申請で使用」と必ず伝える
- 申請直前に取得し、有効期限を確保
9. 行政書士に依頼するメリット
- 必要な税目や発行先を間違えずに取得可能
- 代理取得により時間・労力を節約
- 他の必要書類(履歴事項全部証明書、印鑑証明書など)も一括対応
那覇市と江東区は、事業拠点や役員住所が離れている法人も多く、行政書士を活用すると大幅に効率化できます。
10. まとめ
- 納税証明書は建設業許可の必須書類で、許可区分により取得先が異なる
- 知事許可:県税事務所発行の事業税納税証明書
- 大臣許可:税務署発行の法人税または所得税納税証明書(その3の2など)
- 有効期限は発行日から3か月以内
- 那覇市・江東区ともに窓口と郵送・オンライン取得が可能