朝から駅前がうるさくて迷惑?選挙に出る多くの人がやっていること、駅立ちとは

政治業界でよく聞く用語として「駅立ち」という言葉があります。他の言い方ですと「朝立ち」や「駅頭」とも呼ばれるもので、選挙区内にある鉄道駅の周辺で朝の時間帯で通勤する人に自らを認知してもらうための活動をいいます。以前の記事にも述べましたが、選挙とは知名度がなくては話になりません。

お金もコネのない人が、選挙に当選するのにもっとも大切なポイントについて – 行政書士見山事務所 (miyamashinji.jp)

知名度を上げるために行なう活動を一環であり1年を通して行なう方もいれば、選挙前3カ月くらいだけ行なう人、選挙期間中しか行わない人、そのスタイルは様々です。ちなみに私は一年を通して平日毎日2時間ほど行なっていましたが、灼熱の炎天下である真夏でも雪が降る真冬でも、まさに禅行のように駅立ちをしていました。野田佳彦元首相は未だに毎朝、駅立ちをされていると聞いたことがありますが、私も駅立ちで当選していたと言ってもあながち間違いでなかったと思います。

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駅前でいったい何をするのか

駅前で何をしているのかということですが、これも候補者によってスタイルは様々です。例えば

・おはようございますとあいさつをする

・名前を連呼している

・演説をする

・ただ突っ立っている

・ビラを配る

これらを複合して行なうスタイルもありますが、大体このようなところかと思います。

駅立ち活動の中でよく言われることは「邪魔だ」「うるさい」「ウザい」等、クレームがあることは事実です。寝起きであり、また満員電車のすし詰め状態になる朝の出勤というものが清々しいと思って会社に向かう人は、通常珍しいかと思います(そんなことはない方もいらっしゃるとは思いますが)。そんな時に朝から駅前に政治家がいる、しかも拡声器を使っていてうるさい、気に障るに違いありません。わかっているなら朝から来るなよとお叱りを受けそうですが、こちらも知名度を上げなくては選挙にならないので、申し訳なさ半分で駅立ちをしていたものです。

通勤する人で出会う人は3パターンにわけられる

そんな中、来る日も来る日も駅立ち活動をしていると認知度が上がってくるのは実感するようになります。それはニコッと笑顔で会釈をされる方、おはようございますや頑張ってくださいと声をかけてくれる方、ビラをたたき落そうとする人、罵詈雑言を必ず言う人、様々な方が現れてくると知名度が上がってきた証拠です。

それらは大体、3パターンにわけられます。

➀ 自らに対して好感を持ってもらえている人

② 自らを嫌う人

③ どちらでもない人

一番多い層は③ですが、この③の方々をどのように自らの支持を得るようにしていくことが大切な視点であると思います。心理は中間にあり、これは田中角栄元首相のことばです。

よってそれぞれの立候補予定者が知恵を絞り、③に訴えかける駅立ち活動を実践していくことが重要となります。

駅立ち活動でもダメな例

長年、政治家をやっていると選挙応援等で様々な駅立ち活動を目にしましたが「これはダメだろ」と思う方は結構いらっしゃいました。例を挙げると

・ポケットに手を突っ込んでいる

・ただ突っ立っている

・やたら大勢でいて気勢を張っている

要するに他人から見て不快に思う行為をしている人が少なからずいるということです。票を獲得するどころか、票を減らしに駅立ちしているようなものです。政治家を志すということは常に人の目に晒されていることを十分に理解しなくてはなりません。これは駅立ちに限った話でなく、日頃の言動・活動すべてに言えます。身を律して生きていくことができるか、生きづらさを許容する人生を歩めるかということも政治家を志す時に深く考えてほしいと思います。

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