シンガポールで金融活動を伴う投資会社を設立するための手順と手続き、必要書類について

シンガポールで不動産を介した投資会社を設立したい旨のご相談があり、どのような手続きがあるのかを調べてみました。以下のような流れです。


 1. 会社の種類を選定する
シンガポールで一般的な投資会社は「有限責任会社(Private Limited Company, Pte Ltd)」です。

 2. 会社名の予約
シンガポール企業規制庁(ACRA)に会社名の候補を申請し、承認を受けます。

3. 登録手続き
会社の登録はACRAでオンラインにて行います。

4. 必要書類の準備
以下の書類が必要です:

・会社名の提案書:承認された会社名
・事業の内容:会社が行う予定の事業内容
・取締役と株主の情報:少なくとも1名の取締役がシンガポール居住者である必要があります(シンガポール市民、永住者、または適切なビザを持つ外国人)
・登記住所:シンガポール国内の住所
・会社定款:会社の内部規定を定めた文書

5. 登録料の支払い
登録料は通常、会社名の予約料と登録料を含めて約315シンガポールドルです。

6. 登録完了
全ての手続きが完了すると、ACRAから会社の設立証明書(Certificate of Incorporation)が発行されます。

7. 法律遵守
・会社秘書の任命:設立から6ヶ月以内に会社秘書を任命。
・年次総会の開催:最初の年次総会を設立後18ヶ月以内に開催し、その後は毎年1回開催。
・会計と税務の報告:年次財務報告書を作成し、税務署(IRAS)に申告。

8. 銀行口座の開設
会社名義でシンガポールの銀行に口座を開設します。通常、設立証明書や取締役の身分証明書などが必要です。

9. 金融管理局(MAS)からのライセンス取得
金融活動を行うためには、シンガポール金融管理局(Monetary Authority of Singapore, MAS)から適切なライセンスを取得する必要があります。以下は主要なライセンスの一部です。

・キャピタル・マーケット・サービス・ライセンス(CMSL):証券取引、資産運用、ファイナンシャル・アドバイザーとして活動するためのライセンス
・ファイナンシャル・アドバイザーズ・ライセンス(FAL):ファイナンシャル・アドバイザーとして活動するためのライセンス

必要書類
・申請書:MAS指定のフォームに記入
・ビジネスプラン:会社のビジネスモデル、対象市場、戦略などを詳細に説明
・取締役と主要役員の経歴書:金融業界での経験や資格を含む
・コンプライアンス計画:会社がどのように法令を遵守するかの詳細な計画

10. ライセンス取得後の遵守事項
ライセンス取得後も、定期的な報告義務やコンプライアンス監査が求められます。

以上の手順にて、シンガポールで金融活動を伴う投資会社を設立することができます。専門コンサルタントや現地法に精通した弁護士等の助けを借りることも検討されて下さい。

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