とび土工工事業の建設業許可を取得するために知っておくべきこと

沖縄県那覇市や東京都江東区で建設業を営んでいる皆さん、特に「とび土工工事業」を専門に行う方には、建設業許可の取得が非常に重要です。とび土工工事業は、工事内容が幅広く、多くの建設業者がこの許可を取得しています。今回は、とび土工工事業の工事内容や許可取得のための要件について詳しく解説いたします。

とび土工工事業とは?

とび土工工事業は、500万円以上の「とび・土工・コンクリート工事」を請負う際に必要となる許可です。これは、建設業法で定められた27種類の専門工事業のうちの1つで、特に足場組立、鉄骨組立、コンクリート工事などの幅広い工事が含まれます。

また、元請業者としてとび土工工事を請負い、その工事で4,500万円以上を下請業者に発注する場合は、特定建設業許可も必要となります。したがって、工事の規模や発注の金額によっては、一般建設業許可だけでなく、特定建設業許可も取得しておくことが非常に重要です。

とび・土工・コンクリート工事の内容とは?

とび土工工事業は、非常に広範な工事内容を含んでいます。主な工事は以下の通りです。

  1. 足場組立、重量物の運搬配置、鉄骨等の組立工事
    • 代表的な例:足場工事、重量物運搬工事、鉄骨組立工事
  2. くい打ち・抜き工事
    • 例:くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事
  3. 土砂の掘削、盛上げ、締固め工事
    • 例:掘削工事、盛土工事、発破工事
  4. コンクリートにより工作物を築造する工事
    • 例:コンクリート打設工事、プレストレストコンクリート工事
  5. その他の基礎的または準備的工事
    • 例:地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、道路付属物設置工事

これらの工事は「とび・土工・コンクリート工事」としてまとめられていますが、その内容は非常に多岐にわたり、個々の工事ごとに専門的な技術が要求されます。とび土工工事業を営む方は、これらの工事を総合的に理解し、それに応じた技術者や資材を用意する必要があります。

建築一式工事との誤解

「建築一式工事の許可があれば、とび土工工事も請け負える」といった誤解を持つ方が多くいますが、これは間違いです。建築一式工事業の許可を持っている場合でも、特定の工事(例えば、足場組立や鉄骨組立工事)をメインで請け負う場合には、とび土工工事業の許可が別途必要です。

この誤解によって、無許可で工事を行うことになり、罰則を受けるリスクもあります。したがって、自分の業務内容に合った適切な建設業許可を取得することが大切です。

専任技術者の要件

建設業許可を取得するためには、業種ごとに専任技術者を営業所に配置することが求められます。とび土工工事業の場合、以下の資格を持つ者が専任技術者になることができます。

  • 一級建設機械施工技士
  • 一級土木施工管理技士
  • 二級土木施工管理技士
  • 一級建築施工管理技士
  • 技能士(とび・コンクリート施工等)

また、これらの資格を持っていなくても、10年以上の実務経験があれば専任技術者として認められます。ただし、特定建設業許可を取得する場合は、さらに高度な資格が必要となります。

専任技術者要件の改正

令和5年7月の改正により、専任技術者の要件が一部緩和されました。これまで10年以上の実務経験が必要だった場合でも、施工管理技士試験に合格すれば、実務経験年数が短縮され、専任技術者として認められることがあります。

例えば、一級施工管理技士試験に合格した場合は3年、二級試験合格者は5年の実務経験で専任技術者の要件を満たすことができます。これにより、若い技術者の登用が促進され、事業の拡大を目指す企業にとっては朗報となります。

許可取得に向けた書類の準備

とび土工工事業の建設業許可を取得するためには、次のような書類が必要です。

  1. 被保険者記録照会回答票(年金事務所で取得)
  2. 建設業許可通知書の写し(許可があれば)
  3. 実務経験証明書(10年以上の実務経験がある場合)
  4. 専任技術者証明書(専任技術者として登録する場合)
  5. 健康保険被保険者証の写し(常勤証明)

特に重要なのは、実務経験証明書です。これにより、過去にどのような工事を行ったか、どの程度の経験があるかを証明することができます。

沖縄県那覇市や東京都江東区の特性を活かした許可取得

沖縄県や東京都では、地域ごとの建設需要に応じた特定の工事が多くあります。たとえば、那覇市では観光施設やインフラ整備のための大型プロジェクトが多く、これに伴いとび土工工事業の需要が増加しています。また、東京都江東区では、再開発や高層ビルの建設に伴う足場組立や鉄骨組立工事が頻繁に行われています。

このような地域のニーズに合わせて、適切な建設業許可を取得することで、地域に密着した工事を円滑に進めることができます。

建設業許可取得後の手続き

許可取得後も定期的な更新や変更届などの手続きが必要です。特に5年ごとの更新手続きを忘れずに行うことが重要です。また、会社の役員変更や住所変更があった場合は、速やかに変更届を提出する必要があります。

とび土工工事業の建設業許可取得は、工事を円滑に進めるために欠かせないステップです。那覇市や江東区で事業を展開する皆さんが、適切な許可を取得し、地域に貢献する工事を行うための参考になれば幸いです。

目次