
農地を転用する際、最初に確認すべき重要なポイントの一つが、その農地が「市街化区域」にあるかどうかです。
市街化区域にある農地であれば、転用の手続きは「届出」だけで完了する場合が多いため、必要な書類や手続きの負担が大幅に軽減されます。一方で、市街化区域外(市街化調整区域など)にある場合は、都道府県知事や農業委員会の許可が必要となり、申請に時間も労力もかかります。
この記事では、農地転用許可申請において「市街化区域内かどうかの確認」がなぜ重要なのか、その確認方法や注意点について詳しく解説します。
1. 市街化区域と農地転用の関係
市街化区域とは?
市街化区域とは、都市計画法に基づいて「すでに市街地になっている地域」または「今後10年以内に積極的に市街化を進めるべき地域」として指定された区域のことです。
市街化区域内では、都市計画に沿った開発が推進されるため、農地転用の際も比較的スムーズに手続きが進みます。
一方、市街化区域外には以下のような地域があります。
区分 | 特徴 | 農地転用の難易度 |
市街化区域 | 住宅や商業施設の建設が推奨される地域 | 届出のみ(許可不要)で転用可 |
市街化調整区域 | 市街地化を抑制する地域 | 原則として転用不可(許可が必要) |
非線引き区域 | 市街化区域・市街化調整区域の指定がない地域 | 審査が必要(自治体ごとに判断) |
2. 農地転用の届出と許可の違い
市街化区域内の農地転用(届出)
市街化区域にある農地を転用する場合、農地法第5条の届出を行えば転用が可能です。
届出だけで済むため、手続きの負担が少なく、必要書類も少なくて済みます。また、許可申請と異なり、届出は随時受け付けている自治体がほとんどで、受理されるまでの期間も1週間~10日程度と短期間です。
市街化調整区域・非線引き区域の農地転用(許可)
市街化調整区域や非線引き区域にある農地を転用する場合、農地法第5条(自己所有の転用)または第4条(第三者への譲渡を伴う転用)の許可が必要となります。
許可が必要な場合、以下のようなデメリットがあります。
- 必要書類が増える(土地利用計画書、事業計画書、関係者の同意書など)
- 審査に時間がかかる(1か月~数か月)
- 月に一度の締切がある自治体が多い
- 不許可のリスクがある(農業振興地域の場合は特に厳しい)
このように、市街化区域内の農地であれば、転用のハードルが大幅に下がるため、まずは「その農地が市街化区域内かどうか」を確認することが極めて重要です。
3. 市街化区域内かどうかの確認方法
農地が市街化区域にあるかどうかは、自治体の役所で確認することができます。
① 役所の担当部署で確認する
市街化区域の確認は、多くの自治体では都市計画課や都市整備課といった部署が担当しています。ただし、自治体によって部署名が異なることもあるため、窓口で「市街化区域かどうかを確認したい」と伝えれば、適切な担当部署を案内してもらえます。
② 地番を明確にして問い合わせる
土地の正確な所在地(地番)がわかっていれば、電話での確認も可能です。担当窓口に地番を伝えると、対象の土地が市街化区域かどうかを教えてもらえます。
③ 自治体の都市計画図で確認する
一部の自治体では、公式ホームページに都市計画図を公開しており、市街化区域かどうかをオンラインで確認することも可能です。
ただし、都市計画図は一般の方には見慣れないため、読み方がわかりにくいことがあります。都市計画図を参考にしつつ、最終的には役所での確認を行うことをおすすめします。
4. 市街化区域の確認を怠るとどうなる?
万が一、市街化区域であると誤認し、許可が必要な地域で届出のみで済ませた場合、以下のようなリスクがあります。
① 転用が無効となる
許可が必要な地域で無許可転用を行うと、農地転用は認められません。最悪の場合、違法転用と見なされ、行政指導や原状回復命令(農地に戻す指示)が下されることもあります。
② 予定していた開発ができなくなる
事前確認を怠ったことで、許可が必要だったと後から判明すると、転用手続きのやり直しが発生し、開発スケジュールに大幅な遅れが生じます。
③ 追加の手続きや費用が発生する
許可申請が必要な場合、追加で必要な書類を揃える必要があり、行政書士などの専門家に依頼する際の費用もかさむことになります。
このようなトラブルを避けるためにも、農地転用を検討する際は、必ず市街化区域かどうかを事前に確認することが重要です。
まとめ 市街化区域の確認は必須!
農地転用において、市街化区域内であれば届出のみで済みますが、市街化調整区域や非線引き区域では許可が必要になり、手続きが大幅に増えるため、市街化区域かどうかの確認は最優先で行うべき作業です。
市街化区域の確認方法
- 役所の担当部署(都市計画課など)で確認する
- 地番を特定し、電話で問い合わせる
- 自治体のホームページの都市計画図を参考にする(最終確認は役所で)
農地転用をスムーズに進めるために、必ず事前に市街化区域かどうかを確認し、適切な手続きを行いましょう。