
日本人と外国人が結婚すると、日本の戸籍にはどのように記載されるのでしょうか? 日本人同士の結婚とは異なる点が多いため、事前にしっかり理解しておくことが大切です。今回は、東京都江東区や沖縄県那覇市にお住まいの方々を対象に、国際結婚における戸籍の扱いについて詳しく解説します。
1. 戸籍とは? 日本人と外国人の違い
日本では、日本国籍を持つ人が戸籍に記載されます。しかし、外国人には日本の「戸籍」という制度がありません。そのため、国際結婚をすると戸籍の扱いが日本人同士の結婚とは異なる点が出てきます。
2. 日本人同士の結婚と戸籍の変化
日本人同士が結婚すると、一般的に次のような変化があります。
- 夫婦のどちらかの姓(苗字)を選び、新しい戸籍を作成する
- 結婚により、それまでの戸籍から除籍される
- 夫婦2人で1つの戸籍に入る
例えば、東京都江東区で結婚した場合、婚姻届を提出した時点で新しい戸籍が作成され、夫婦の情報が一緒に記載されます。
3. 国際結婚の場合の戸籍の変化
一方で、日本人と外国人が結婚すると、次のように戸籍が変化します。
① 日本人の戸籍が新しく作られる
日本人の配偶者は、それまで両親と一緒だった戸籍から除籍され、新しい戸籍が作られます。
② 外国人配偶者の情報が記載される
新しく作られた戸籍の「身分事項欄」に、次のような情報が記載されます。
- 外国人配偶者の名前
- 国籍
- 婚姻日
ただし、外国人には日本の「戸籍」がないため、外国人配偶者自身の戸籍は作られません。
③ 外国人配偶者の苗字は変わらない
日本人同士の結婚の場合、夫婦はどちらかの苗字を選んで同じ姓を名乗ります。しかし、外国人配偶者は日本の戸籍に属さないため、結婚しても自動的に日本人配偶者の姓にはなりません。
日本人が外国人の姓を名乗りたい場合は、「氏の変更届」を提出する必要があります。(結婚後6か月以内)
4. 住民票の扱いはどうなる?
戸籍は外国人にはありませんが、住民票は作成されます。2012年に住民基本台帳法が改正され、日本に中長期在留している外国人にも住民票が発行されるようになりました。
住民票には、次の情報が記載されます。
- 氏名(カタカナ表記)
- 国籍
- 在留資格
- 在留期間
住民票上では、日本人と外国人が「世帯」として記載されるため、日常生活での行政手続きには影響がありません。
5. 離婚した場合の戸籍の扱い
もし離婚した場合、日本人側の戸籍はどうなるのでしょうか?
- 日本人配偶者は、結婚時に作られた戸籍にそのまま残る
- 旧姓に戻したい場合は、「氏の変更届」を提出する
- 旧姓に戻した場合、元の戸籍に戻ることはできず、新しく戸籍が作られる
外国人配偶者にはもともと日本の戸籍がないため、離婚しても特に変更はありません。ただし、在留資格(「日本人の配偶者等」)が影響を受けるため、定住者ビザなどへの変更を検討する必要があります。
6. 国際結婚後の手続きと注意点
① 相手国での婚姻手続きが必要
日本で婚姻届を提出しても、外国人配偶者の母国では婚姻が認められないことがあります。そのため、相手国の法律に従って婚姻手続きを行い、両国で結婚が正式に成立している状態にする必要があります。
② 婚姻要件具備証明書の取得
外国人が日本で婚姻届を出す際、母国が発行する「婚姻要件具備証明書」が必要になることがあります。
③ 在留資格「日本人の配偶者等」の申請
結婚後、外国人が日本に住むためには「日本人の配偶者等」の在留資格を取得する必要があります。これは結婚すれば必ず許可されるものではなく、婚姻の実態や安定性が審査されます。
7. まとめ
国際結婚では、日本人と外国人の戸籍の扱いが大きく異なります。主なポイントは以下の通りです。
- 日本人は結婚すると新しい戸籍が作られるが、外国人には戸籍がない
- 戸籍には、外国人配偶者の氏名と国籍が記載される
- 外国人配偶者の姓は変わらない(日本人が外国人の姓を名乗る場合は「氏の変更届」が必要)
- 住民票は作成され、日本人と外国人は「世帯」として記載される
- 離婚しても外国人の戸籍は変わらないが、日本人の戸籍や在留資格には影響がある
東京都江東区や沖縄県那覇市で国際結婚を考えている方、すでに結婚している方は、戸籍の扱いや手続きについてしっかり理解し、スムーズな手続きを進めましょう。