
近年、ドローンの活用が急速に広がり、それに伴い日本では飛行許可申請が厳格化されています。ドローンを安全に運用し、法的に適正な飛行を行うためには、申請手続きを理解し、必要なシステムを活用することが不可欠です。
本記事では、ドローン飛行許可申請に関係する重要な用語「DIPS」と「FISS」について詳しく解説します。
DIPSとは?ドローン飛行許可のオンライン申請システム
DIPSの基本概要
DIPS(ディップス)は、「Drone Information Platform System」の略で、国土交通省が提供するドローンの飛行許可・承認申請を行うためのオンラインシステムです。
これまでドローンの飛行許可申請は紙の申請書を用いる方法が主流でしたが、DIPSの導入によりオンライン上で迅速に申請ができるようになりました。現在、多くのドローン操縦者がDIPSを利用して申請を行っています。
DIPSを利用するメリット
- オンラインで完結:申請書を郵送する手間がなく、オンラインで申請から承認まで一括管理できる。
- 申請状況の確認が容易:審査の進捗状況をリアルタイムで確認できる。
- 過去の申請情報の管理:過去に申請した許可内容をシステム上で管理し、更新申請時に活用できる。
DIPSで申請できる主な飛行許可・承認
DIPSでは、航空法に基づく以下の飛行許可・承認申請を行うことができます。
- 人口集中地区(DID)での飛行許可
- 目視外飛行(第三者の立入管理がない場所)
- 夜間飛行
- イベント上空の飛行
- 危険物輸送
- 物件投下
特に、人口集中地区(DID)での飛行は許可なしでは原則禁止されているため、DIPSを活用して適正な申請を行うことが求められます。
FISS(飛行情報共有システム)とは?
FISSの基本概要
FISS(エフアイエスエス)は「Flight Information Sharing System」の略称で、国土交通省が運営するドローンの飛行計画を事前に登録し、情報を共有するためのシステムです。
飛行許可を取得した後、ドローンを飛ばす際にはFISSに飛行計画を登録する義務があります。
なぜFISSが必要なのか?
ドローンの飛行が増加するにつれ、有人航空機(飛行機・ヘリコプター)や他のドローンとの衝突リスクが高まっています。
FISSを利用して飛行情報を共有することで、操縦者同士が事前に飛行計画を確認し、衝突を避ける対策が可能になります。
FISSへの登録内容
ドローンを飛行させる前に、以下の情報をFISSに登録する必要があります。
- 飛行日時:何月何日の何時から何時まで飛行するのか
- 飛行場所:飛行させる範囲(緯度・経度)
- 飛行高度:どの高さまで飛行するのか
- 機体情報:機種・登録番号
- 操縦者情報:操縦者の氏名・連絡先
FISSに登録した後の注意点
FISSに登録した飛行計画が他の操縦者と重複する場合、飛行エリアが重なってしまうことがあります。その場合は事前に連絡を取り合い、飛行エリアや時間帯を調整する必要があります。
特に、イベント上空や空港周辺での飛行は他のドローンと重なる可能性が高いため、登録内容の確認が重要です。
DIPSとFISSの違いを整理
DIPSとFISSは、どちらもドローンの飛行許可・管理に関わる重要なシステムですが、それぞれの役割が異なります。
項目 | DIPS(ディップス) | FISS(エフアイエスエス) |
役割 | 飛行許可・承認申請を行う | 飛行計画を登録・共有する |
利用目的 | 事前に国土交通省の許可を取得する | 他の航空機・ドローンとの衝突を防ぐための情報共有 |
申請タイミング | 飛行許可が必要な場合、事前に申請 | 許可取得後、飛行前に登録 |
DIPSで許可を取得しても、FISSに登録しなければ適法な飛行とはなりません。飛行許可を取った後も、FISSへの登録を忘れないように注意しましょう。
まとめ
ドローンを安全に飛行させるためには、適正な許可申請と情報共有が必要です。
DIPSを活用して飛行許可を取得し、FISSに飛行計画を登録することで、法律を遵守しながらリスクのない運用が可能となります。
特に、東京都江東区や沖縄県那覇市のような都市部や観光地では、ドローン飛行のルールが厳しく、適切な手続きを踏まないと違法飛行と見なされるリスクが高いため、DIPSとFISSの利用は必須です。
これからドローン飛行許可申請を行う方は、DIPSの操作方法を理解し、飛行前にはFISSに忘れず登録することを徹底しましょう。