建設業許可を取得するためには、工事経歴書を正確に作成することが重要です。この書類は、申請する事業年度の直前の事業年度(確定した決算がある年度)に完成した請負工事について詳細に記載するものです。本記事では、沖縄県那覇市と東京都江東区の方々に向けて、工事経歴書の書き方をわかりやすく解説します。
工事経歴書とは?
工事経歴書は、建設業許可申請において、過去の工事実績を示すために提出が求められる重要な書類です。この書類を通じて、申請者が許可を受けようとする業種について十分な実績を持っていることを証明します。
工事経歴書作成の基本ルール
- 対象となる期間
工事経歴書に記載するのは、「申請する事業年度の直前の事業年度」に完成した請負工事です。たとえば、2024年12月に申請する場合は、2023年度(2023年4月~2024年3月)の完成工事が対象になります。 - 業種ごとに分けて記載
許可を申請する業種ごとに用紙を分け、「とび・土工」「造園」「内装仕上」など、それぞれ別のシートに記入します。業種が複数ある場合でも、一つの用紙にまとめることはできません。 - 許可を申請しない業種は記載不要
許可を受ける業種のみ記入します。実績がない業種については「実績なし」と記載して提出します。
記載すべき内容と具体的なポイント
工事経歴書には以下の項目を正確に記入する必要があります。それぞれの項目について、具体的な注意点を見ていきましょう。
1. 注文者
- 自社が直接受注した事業者や発注者名を記載します。
- 公共工事の場合は「沖縄県那覇市」や「東京都江東区」など、発注元の自治体や行政機関名を正確に記載します。
- 民間工事の場合は発注者の正式名称を記入しましょう。
2. 元請または下請の別
- 自社が元請業者である場合は「元請」、下請業者である場合は「下請」と記載します。
- 許可を受ける業種の信頼性を示すため、この情報は正確に記載してください。
3. JVの別
- 自社が共同企業体(JV)の一員として工事を請け負った場合は、その旨を記載します。
- JVに該当しない場合、この欄は空欄で構いません。
4. 工事名
- 工事の具体的な名称を記載します。
- 例:「那覇市役所屋根修繕工事」「江東区公園遊具設置工事」など。
5. 工事現場の市町村名
- 工事が行われた現場の所在地を記入します。
- 例:「沖縄県那覇市」「東京都江東区」など正確な市町村名を記載します。
6. その他(完成工事高や工事期間など)
- 完成工事高(売上額)や工事期間も必要に応じて記載します。都道府県の指示に従って記載しましょう。
都道府県ごとの記載件数の違い
工事経歴書に記載する件数は、申請先によって異なります。
- 少数の記載で良い場合
一部の都道府県では10件程度記載すれば十分です。 - 完成工事高の70%まで必要な場合
一方で、完成工事高の一定割合(70%など)を記載する必要がある場合もあります。
沖縄県や東京都の申請手引きを事前に確認し、必要な件数を把握しておきましょう。
工事経歴書作成の注意点
- 実績がない場合も作成が必要
許可を申請する業種に実績がない場合でも、「実績なし」と記載した工事経歴書を提出しなければなりません。 - 記載内容の正確性
記載内容に不備や虚偽があると、許可が下りないだけでなく、今後の信用にも影響を与えます。
必ず正確な情報を記載してください。 - 記載する情報の統一性
他の申請書類(財務諸表や工事請負契約書など)と矛盾がないように注意しましょう。記載内容が一致しない場合、審査に時間がかかることがあります。
作成に時間がかかる理由と対策
工事経歴書の作成には多くの時間と手間がかかります。特に以下の理由で準備に時間を要する場合があります。
- 過去の工事データが整理されていない
データがバラバラになっている場合、工事実績を確認するのに時間がかかります。普段からデータの管理を徹底することが大切です。 - 発注者情報の確認が必要
発注者の正式名称や所在地を正確に確認する必要があります。必要であれば、発注元に問い合わせを行いましょう。
工事経歴書を効率よく作成するためのヒント
- テンプレートを活用する
工事経歴書用のテンプレートを活用し、必要事項を埋める形で作成を進めると効率的です。 - 過去の実績を整理する
毎年の工事実績を一覧表で管理することで、次回以降の作業がスムーズになります。 - 行政書士に相談する
作成に不安がある場合は、行政書士に依頼するのも有効です。プロのサポートを受けることで、書類不備のリスクを減らせます。
まとめ
工事経歴書の作成は、建設業許可申請の中でも重要な作業の一つです。沖縄県那覇市や東京都江東区で申請を検討している方は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 業種ごとに分けて記載する
許可を受ける業種について、正確な情報を記入します。 - 都道府県ごとの要件を確認する
提出先によって必要件数が異なるため、手引きを事前に確認します。 - 正確で一貫性のある記載を心がける
他の書類との整合性を意識して作成しましょう。
工事経歴書の準備に時間がかかる場合でも、しっかりと手順を踏むことでスムーズな許可取得につながります。正確な情報で申請を成功させ、事業拡大への一歩を踏み出しましょう!