
外国人の方が日本人と結婚する際、前配偶者との間に生まれた子供を日本に呼びたいと考えることはよくあります。しかし、子供が20歳以上(成人)になっている場合、「定住者」ビザでの呼び寄せはできません。 では、どのような方法で日本に呼ぶことが可能なのでしょうか?
本記事では、東京都江東区や沖縄県那覇市に住む方々向けに、20歳以上の子供を日本に呼ぶ方法と、それぞれの在留資格の特徴について詳しく解説します。
1. 「定住者」ビザは適用外となる理由
在留資格「定住者」は、未成年(19歳以下)かつ未婚の実子であれば、日本で生活する親と一緒に暮らすために取得が可能です。しかし、20歳以上になった場合はこの条件から外れてしまうため、「定住者」ビザの申請は認められません。
そのため、成人した子供を日本に呼ぶためには、別の在留資格を検討する必要があります。
2. 20歳以上の子供が取得できる在留資格の種類
子供が日本に来て一緒に暮らすためには、以下のような在留資格を取得する必要があります。
在留資格 | 取得の難易度 | 条件・特徴 |
短期滞在(親族訪問) | ★☆☆(比較的簡単) | 90日以内の滞在が可能 |
留学 | ★★☆(要準備) | 日本語学校・専門学校・大学に通う |
配偶者等 | ★★☆(条件あり) | 日本人または日本で在留資格を持つ外国人と結婚 |
経営・管理 | ★★★(ハードル高め) | 会社を設立し経営者としてビザを取得 |
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
3. 短期滞在(親族訪問)ビザを利用する
【ポイント】短期間の訪問なら可能だが、長期滞在は不可
日本に住む親が20歳以上の子供を呼びたい場合、最も簡単な方法は「短期滞在」ビザ(親族訪問)を利用することです。
(1) 短期滞在ビザの概要
- 最長90日間滞在可能
- 日本に住む親族(親)が招へい人(スポンサー)となる
- 観光や家族訪問が目的であり、就労は不可
(2) 申請の流れ
- 親が日本で招へい理由書や経費支弁書を作成(経済的にサポートすることを示す)
- 子供が現地の日本大使館または領事館で申請
- 審査通過後、最長90日間の滞在が許可される
(3) 注意点
- あくまで「親族訪問」のためのビザであり、長期滞在には使えない
- 短期滞在ビザから他の在留資格(留学や就労)へ直接変更することはできない
4. 留学ビザで日本に長期滞在する
【ポイント】勉強を目的に長期滞在できるが、学費の負担が必要
「日本語学校・専門学校・大学に通う」という選択肢も現実的です。 日本での滞在期間を長くすることができるため、日本に住む親と一緒に暮らすための手段として考えられます。
(1) 留学ビザの概要
- 日本語学校(1年~2年)、専門学校(2年~3年)、大学(4年)などで学ぶ
- 最初は1年または1年3か月のビザが発行され、以降は更新可能
- 週28時間までのアルバイトが許可される(生活費を補助できる)
(2) 申請の流れ
- 入学したい学校を決める(日本語学校・専門学校・大学)
- 学校を通じて「在留資格認定証明書(COE)」を申請
- 認定証明書を受け取り、現地の日本大使館で留学ビザを取得
(3) 注意点
- 学費の負担が必要(1年間で約80万円~150万円)
- 在留資格の変更には一定の条件が必要
5. 日本人または日本在住の外国人と結婚する
【ポイント】結婚すれば「日本人の配偶者等」または「家族滞在」のビザが取得可能
もし、20歳以上の子供が日本人や日本で在留資格を持つ外国人と結婚した場合、その配偶者として日本に滞在することが可能になります。
(1) 取得できる在留資格
- 日本人と結婚 → 「日本人の配偶者等」ビザ(長期滞在可能)
- 日本で働く外国人と結婚 → 「家族滞在」ビザ(就労不可・生活費の援助が必要)
(2) 注意点
- 結婚が前提のため、相手がいない場合は現実的ではない
- 偽装結婚が疑われるとビザが下りない
6. 会社を設立し「経営・管理」ビザを取得
【ポイント】自らビジネスを始めることで滞在できるが、資本金が必要
20歳以上の子供が起業家として日本でビジネスを始める場合、「経営・管理」ビザを取得することが可能です。
(1) 経営・管理ビザの概要
- 最低500万円以上の資本金が必要
- 日本で事業を立ち上げる(飲食店、貿易業、IT事業など)
- 安定した経営実績が必要(赤字続きでは更新不可)
(2) 申請の流れ
- 会社を設立し、法人登記を行う
- 事業計画書を作成し、資本金を準備する
- 「経営・管理」ビザを申請する
(3) 注意点
- ビジネスの実績が求められるため、簡単に取得できるわけではない
- 資本金500万円以上の用意が必要
7. まとめ
20歳以上の子供を日本に呼ぶ方法として、「定住者」ビザは適用外となりますが、以下の方法で在留資格を取得することが可能です。
- 短期滞在ビザ → 一時的な訪問は可能
- 留学ビザ → 学校に通うことで長期滞在が可能
- 結婚ビザ → 日本人または日本在住の外国人と結婚すれば長期滞在が可能
- 経営・管理ビザ → 会社を設立すれば長期滞在が可能
状況に応じて最適な方法を選び、日本での生活を実現させましょう。