業種追加後の公共工事受注に向けたステップ 江東区・那覇市の建設業者向け

建設業許可の業種追加が完了したら、次の目標は「新しい業種での公共工事受注」と考える方も多いでしょう。
特に東京都江東区や沖縄県那覇市では、公共事業が安定した受注先となるため、戦略的に動くことが重要です。

この記事では、業種追加後に公共工事を受注するための具体的なステップをわかりやすく解説します。
新たな業種でのチャンスを確実につかむため、ぜひ最後までご覧ください。


目次

1. 公共工事受注までの流れを押さえよう

まず、業種追加後に公共工事を受注するまでの全体像を把握しておきましょう。

【公共工事受注までの基本的な流れ】

  1. 建設業許可(業種追加)取得
  2. 変更届・決算変更届の提出
  3. 経営事項審査(経審)の受審
  4. 入札参加資格審査の申請(市区町村、都道府県、国)
  5. 指名通知・公告案件への参加
  6. 競争入札・指名競争による受注

このうち、特に重要なプロセスが、経営事項審査(経審)と入札参加資格審査です。
順番に見ていきましょう。


2. 経営事項審査(経審)を受ける

(1)経審とは?

経営事項審査(経審)とは、国や自治体が公共工事を発注する際、業者を選定するために行う客観的な経営力評価です。
業種追加後、新たな業種で公共工事を受注したいなら、追加した業種も含めて経審を受け直す必要があります。

(2)経審で評価される主な項目

  • 完成工事高(売上)
  • 営業年数
  • 技術職員数(有資格者数)
  • 財務内容(自己資本比率・利益率)
  • 労働福祉の状況(社会保険加入状況など)

【重要ポイント】
業種追加後は、新たな業種の完成工事高を確保することが特に重要になります。
工事実績がゼロの場合でも申請は可能ですが、点数が低くなりがちなので、まずは小規模案件から積極的に実績を積みましょう。


3. 決算変更届を適切に提出する

経審を受けるためには、事前に決算変更届(事業年度終了報告)を提出している必要があります。
業種追加後の初回決算では、新たな業種についてもきちんと工事経歴書に記載しなければなりません。

【工事経歴書に記載する内容】

  • 工事名称
  • 工事場所
  • 発注者名
  • 請負金額
  • 着工日・竣工日
  • 元請/下請の別

ポイント

  • 実績がある場合は必ず記載する
  • 請負金額に誤りがないか細心の注意を払う
  • 発注者名(官公庁名など)を正確に記載する

4. 入札参加資格審査に申し込む

(1)どこに申請するのか?

公共工事の発注者は、国、都道府県、市区町村とさまざまです。
それぞれの発注機関ごとに入札参加資格審査への申請が必要です。

【例】

  • 東京都:東京都建設局
  • 江東区:江東区役所財政課
  • 那覇市:那覇市役所契約管財課
  • 国(国土交通省、防衛省など)

【注意点】
自治体ごとに審査時期、申請方法、必要書類が異なります。
年1回~2回しか申請機会がないことも多いので、情報収集は早めに行いましょう。

(2)入札参加資格で求められる書類

  • 経営事項審査結果通知書
  • 建設業許可証の写し
  • 商業登記簿謄本
  • 納税証明書(法人税・事業税)
  • 財務諸表
  • 社会保険加入証明資料 など

【ポイント】

  • 記載漏れ・書類不足は即不受理になるため、細心の注意が必要
  • 有効期限の管理も重要(例:納税証明書は3か月以内)

5. 受注に向けた実績作り

公共工事の案件に参加するには、過去の工事実績が非常に重要な判断材料となります。

【実績作りのコツ】

  • 民間発注の工事でも構わないので、対象業種での施工実績を積み重ねる
  • 官庁・自治体の小規模案件(少額随意契約など)から挑戦する
  • 可能ならJV(共同企業体)で経験を積む

補足
「業種追加してすぐ」の段階では、実績が少ないため大型案件への参加は難しいかもしれません。
まずは、小規模な補修工事や修繕工事などからコツコツと経験を積むことが重要です。


6. 社内体制・技術者確保にも注力する

公共工事を安定して受注するためには、社内体制の整備も欠かせません。

【求められる社内整備】

  • 専任技術者の配置(建設業許可に必要な技術者とは別に、現場専任の管理技術者を確保)
  • 安全衛生管理体制の整備
  • コンプライアンス遵守体制(談合防止、適正契約など)
  • 労務管理・社会保険加入の徹底

【ポイント】
自治体によっては、社会保険未加入の業者は入札参加資格を取り消されるケースもあります。
社会保険未加入問題は必ずクリアしておきましょう。


7. 地域の情報収集とネットワーク作り

最後に、公共工事を受注するためには、地域の情報収集人脈作りも大切です。

【具体例】

  • 官公庁の契約課、建設課の発注予定情報を定期的にチェック
  • 地元建設業協会や商工会議所に加入する
  • 同業者との情報交換・連携を図る

公共工事は「情報戦」の側面も強いため、公式情報だけでなく、地域特有の慣習や傾向も把握しておくと有利に働きます。


まとめ 業種追加後こそ計画的に動こう

業種追加後に公共工事を受注するには、次のような段階的な努力が必要です。

【まとめ】

  • 業種追加後は速やかに変更届・決算変更届を提出
  • 経営事項審査(経審)を受けて客観的な経営力を証明
  • 入札参加資格審査に申し込み、参加資格を得る
  • 小規模案件からコツコツと実績を積む
  • 社内体制を整備し、万全の受注体制を作る
  • 地域情報を積極的に収集し、人脈を広げる

一朝一夕で成果が出るものではありませんが、地道にステップを踏んでいけば、新たな業種での公共工事受注という目標を着実に実現できます。

江東区・那覇市をはじめとする地域特性にも注意を払いながら、堅実にチャンスを広げていきましょう。

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