専任技術者・主任技術者・監理技術者の違いについて

建設業許可を受けて工事を施工する建設業者は、その工事現場に一定の資格または経験を有する者を配置し、技術上の管理を行う必要があります。

この工事現場に配置する技術者は、建設業許可の要件となる専任技術者とは全く別なので整理しておきましょう。

目次

専任技術者とは

専任技術者とは建設業許可取得の重要な要件のひとつで、許可を受けようとする業種ごとに、一定以上の資格または実務経験を有する者が在籍していなければなりません。

この専任技術者は、営業所に常勤し請負契約の締結や人員配置・工程管理等を担うポジションであるため、工事現場に配置することが認められていないのは注意です。

専任技術者になるには、次のいずれかを満たす必要があります。

一級・二級国家資格者

・指定学科を卒業し一定の実務経験者

・10年以上の実務経験者

・登録基幹技能者

主任技術者とは

建設業法において建設業許可を受けた建設業者が工事を施工するには、その規模や元請・下請に関係なく工事現場に主任技術者を配置しなければならないと定められています。主任技術者は、工事現場の技術上の管理を任されるポジションなので、次のいずれかに該当する人しかなることができません。

・一級・二級国家資格者

指定学科を卒業し一定の実務経験者

・10年以上の実務経験者

登録基幹技能者

主任技術者になることのできる資格や経験は、営業所の専任技術者と同一の内容とされています。

監理技術者とは

元請業者として発注者から直接請負った工事につき、下請業者に4,000万円以上発注(建築一式工事は6,000万円以上)する場合、特定建設業許可とともに、主任技術者に代えて監理技術者を配置しなければなりません。監理技術者は、元請業者の立場で施工計画、工程、品質、その他技術上の管理及び施工に従事する者の技術上の指導監督を任されるため、主任技術者よりも厳しい要件が定められています。

一級国家資格者

国土交通大臣認定者

指導監督的実務経験者

※ 指定建設業7業種は除く

指定建設業7業種とは

指定建設業とは特定建設業の社会的責任の大きさを考慮し、また建設業の近代化や優れた特定構造物の創造のため、特定建設業の中から総合的な施工技術を要するものとして選定された業種であり、施工技術の確保とそれに応える技術力の充実のために、以下の7業種が指定されています。

土木工事業

・建築工事業

・電気工事業

・管工事業

・鋼構造物工事業

・舗装工事業

・造園工事業

指定建設業の特定建設業許可を受けるためには、営業所ごとに配置する専任技術者及び工事現場に配置する監理技術者について一級国家資格者または国土交通大臣認定者が必要となります。

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