前回の記事では、高度専門職1号ビザについて詳しく解説しました。今回はその続きとして、高度専門職2号ビザについてご紹介します。高度専門職2号ビザは、高度専門職1号ビザからの移行を経て取得できるビザであり、多くのメリットが存在します。ここでは、高度専門職2号ビザの取得要件、適用される活動内容、そして取得することで得られる利点について詳しく解説します。
高度専門職2号ビザとは?
高度専門職2号ビザは、高度専門職1号ビザを3年以上保有し、その活動が日本に貢献するものであると認められた外国人に対して付与される在留資格です。このビザの大きな特徴は、在留期間が無期限であることです。これにより、長期間にわたって日本に滞在し、安定した生活を送ることができます。
また、高度専門職2号ビザへの変更は、高度専門職1号ビザからの移行だけでなく、例えば高度専門職1号ビザで3年以上在留し、その後永住申請が認められた場合に親を本国から呼び寄せるために変更することも可能です。つまり、高度専門職2号ビザは、高度専門職1号ビザを有効に活用した結果として、さらなる利便性を提供するものとなっています。
高度専門職2号ビザに該当する活動
高度専門職2号ビザの対象となる活動は、高度専門職1号ビザで認められた活動とほぼ同様であり、一般的には以下のような分野が含まれます。
- 高度な専門知識や技術を有する活動:科学技術、情報通信、医療、経営、法律などの分野で、高度な専門知識や技術を必要とする活動
- 日本の産業や社会に貢献する活動:日本の経済や社会に対して具体的な貢献ができる活動
- 国際的な業務やプロジェクト:国際的なプロジェクトや業務に携わり、日本の国際的地位を高める活動
高度専門職2号ビザの取得要件
高度専門職2号ビザを取得するためには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。
- 高得点のポイント計算表の基準:
- 高度専門職1号イの活動を行っている外国人で、ポイント計算表の点数が70点以上
- 高度専門職1号ロまたはハの活動を行っている外国人で、ポイント計算表の点数が70点以上かつ年収が300万円以上
- 3年以上の在留歴:
- 高度専門職1号ビザを所持し、3年以上日本に在留していたこと
- 善良な素行:
- 申請者の素行が善良であること。これは、犯罪歴がないことや社会的に良好な行動が求められます
- 日本の利益となる活動:
- 申請者の在留が日本の利益となることが認められること。具体的には、日本の経済や社会に対する貢献度が評価されます
- 相当性の確保:
- 申請者が日本で行おうとする活動が、国の産業および国民生活に与える影響等から相当でないと認められる場合でないこと
これらの要件を満たすことで、高度専門職2号ビザの取得が可能となります。
高度専門職2号ビザのメリット
高度専門職2号ビザには、以下のような多くのメリットがあります。
- ほぼすべての就労資格活動が可能:
- 高度専門職2号ビザを持つことで、就労資格に制限がなくほぼ全ての職業に従事することができます。これにより、ビジネスチャンスが広がります。
- 無期限の在留期間:
- 高度専門職2号ビザの最大のメリットは、在留期間が無期限であることです。これにより、長期的に日本に滞在し、安定した生活基盤を築くことができます。
- 永住許可要件の緩和:
- 永住許可の申請要件が緩和されるため、一定の条件を満たせば永住権の取得が容易になります。
- 配偶者の就労の容易化:
- 高度専門職2号ビザを持つことで、配偶者も就労する際の制限が緩和され、自由に就労することができます。
- 親の帯同が可能:
- 一定の要件を満たせば、親を日本に呼び寄せることが可能です。これにより、家族のサポートを受けることができます。
- 家事使用人の帯同が可能:
- 高度専門職2号ビザを持つことで、一定の条件を満たせば、家事使用人(家政婦や保育士など)を帯同させることができます。
- 在留手続きの優先化:
- 在留手続きが優先的に処理されるため、手続きのスムーズさが向上します。
高度専門職2号ビザでの転職について
高度専門職2号ビザを持つ場合、転職が自由に行えるという大きな利点があります。これにより、転職の際に変更許可申請が不要となります。転職による職場の変更がスムーズに行えるため、キャリアの幅が広がり、柔軟な対応が可能となります。
まとめ
高度専門職2号ビザは、日本での在留を無期限で可能にし、幅広い就労活動をサポートする非常に有利なビザです。高度専門職1号ビザからの移行により、多くのメリットを享受することができ、安定した生活とキャリアの構築が可能となります。適切な要件を満たし、高度専門職2号ビザを取得することで、日本での長期的な滞在と発展的な活動を実現することができます。