
外国人が日本に在留するためには、必ず「在留資格」を取得しなければなりません。しかし、一度日本を出国してしまうと、その在留資格は自動的に消滅してしまう可能性があります。これを防ぐために設けられているのが「再入国許可制度」です。
2012年には「みなし再入国許可」という新制度が導入され、一定の条件を満たせば、わざわざ入国管理局で許可を取得しなくても出国・再入国できるようになりました。しかし、この制度には適用期間の制限があり、誤って適用外のケースで出国してしまうと、在留資格を失ってしまう恐れがあります。
この記事では、東京都江東区や沖縄県那覇市に在住する外国人の方々や、その家族、日本人配偶者の方々に向けて、再入国許可の詳細と注意点をわかりやすく解説します。
1. 再入国許可とは?
再入国許可とは、外国人が一時的に日本を出国し、その後再び日本に戻る際に、在留資格を維持したまま再入国できるようにするための制度です。
日本での在留資格は、原則として出国すると消滅します。しかし、事前に「再入国許可」を取得しておけば、在留資格を失わずに再入国することができます。
2. みなし再入国許可とは?
2012年の入管法改正により、1年以内に日本へ戻ってくる場合には、わざわざ再入国許可を取得しなくてもよい制度が設けられました。これを「みなし再入国許可」といいます。
みなし再入国許可の条件
以下の条件を満たす場合、みなし再入国許可が適用されます。
- 出国時に有効な在留カードを所持していること
- 出国後1年以内に日本へ戻ってくること(特別永住者は2年以内)
- 出国時に「みなし再入国許可」を希望する旨を空港の出入国審査官に伝えること
この制度のおかげで、短期間の海外旅行や一時帰国であれば、再入国許可の手続きが不要になりました。
3. 再入国許可が必要なケース
次に、みなし再入国許可ではなく、事前に「再入国許可」を取得しなければならないケースを確認しておきましょう。
① 1年以上の長期出国をする場合
みなし再入国許可が適用されるのは1年以内の出国に限られます。それを超えて日本を離れる場合には、必ず入国管理局で再入国許可を取得しなければなりません。
例えば、以下のような事情で長期出国する場合は、注意が必要です。
- 外国人配偶者が母国での出産・育児のため長期帰国する場合
- 家族の介護や看病のために長期間母国に滞在する場合
- 海外勤務・海外派遣のために長期間日本を離れる場合
再入国許可を取得せずに1年以上出国してしまうと、在留資格が自動的に消滅し、日本に戻るためには再び新規で在留資格申請をしなければならなくなります。
② 「永住者」の場合
「永住者」の在留資格を持っている方も、1年以上の出国で永住資格が消滅してしまうため、必ず事前に再入国許可を取得する必要があります。
特に、「永住者」の資格は一度失うと復活ができないため、慎重に対応しましょう。
4. 再入国許可の申請方法
申請場所
- 地方出入国在留管理局(入国管理局)
申請に必要な書類
- 再入国許可申請書(入国管理局の窓口で入手可能)
- パスポート
- 在留カード
- 手数料納付書(収入印紙を貼付)
再入国許可の種類
再入国許可には、以下の2種類があります。
- シングル(単回):1回のみ再入国可能
- マルチプル(数次):有効期間内であれば何度でも再入国可能
長期間の海外出張が多い方や、頻繁に海外と日本を行き来する方はマルチプルの許可を取得するのがおすすめです。
手数料(収入印紙代)
- シングル(単回):3,000円
- マルチプル(数次):6,000円
5. まとめ 再入国許可の重要ポイント
- みなし再入国許可は1年以内の出国に限り適用される(特別永住者は2年以内)
- 1年以上日本を離れる場合は、事前に入国管理局で再入国許可を取得する必要がある
- 再入国許可を取らずに1年以上出国すると、在留資格が消滅するため注意が必要
- 「永住者」も1年以上の出国で永住資格が消滅するので、必ず再入国許可を取得する
- 頻繁に海外と日本を行き来する人は「マルチプル(数次)」の再入国許可を取得すると便利
在留資格を維持しながら海外へ行くためには、事前の準備が非常に重要です。特に、1年以上の長期出国を予定している場合は、必ず再入国許可を取得するようにしましょう。
東京都江東区や沖縄県那覇市で、再入国許可の申請や在留資格の相談を検討されている方は、専門家である行政書士に依頼することでスムーズな手続きを進めることができます。