公共工事に入札するために必要な経営事項審査について

公共工事の入札には参加資格が必要となり、その参加資格を得るために必要な手続きの中に経営事項審査というものがあり、一般的には略して「ケイシン」と呼ばれています。

工事発注機関は入札参加資格の審査において、客観的評価と主観的評価の2つを点数化して入札参加事業者を格付けしています。

格付けされたランクにより入札できる工事の規模が決まるため、公共工事に参加したい事業者にとって経営事項審査はとても重要な手続きといえます。

目次

審査基準日

経営事項審査は、原則として申請する日の直前決算日が審査基準日です。2期前の決算日を審査基準日として申請できないことには注意が必要です。

公共工事参加までの流れ

➀ 建設業許可を受ける

公共工事に参加できるのは建設業許可業者に限られています。建設業許可を受けるには一定の要件に該当していなくてはならず、ここで最低限の信用が担保されています。

② 決算・確定申告

以下のステップではこの決算・確定申告における最新内容を基準に手続きが進められていきます。

③ 経営状況分析

国土交通大臣の登録を受けた登録経営状況分析機関に経営状況分析申請を行ない、結果通知書を受け取ります。

これにより会計的な視点から建設事業者が点数化されます。

④ 建設業決算報告

すべての建設業許可業者に求められている決算変更届や事業年度終了報告のことを指します。もっともこれらは公共工事に入札しない許可事業者にも求められています。

⑤ 経営事項審査申請

ここで「ケイシン」です。完成工事高・技術者数・経営状況・自己資本額・平均利益額・社会性等を点数化し、企業の能力を客観的に数値化したものです。

⑥ 入札参加資格審査申請

入札参加を希望する発注機関に定められた方法により入札参加資格審査申請を行ない、承認されると入札に参加することができるようになります。

経営事項審査の有効期限について

公共工事を入札するためには、常に入札参加資格を有効に保持する必要があります。

継続し入札に参加する事業者は毎年、経営事項審査を受ける必要があり、有効期限は審査基準日から1年7カ月と定められています。

有効期限内に翌期分の経営事項審査が出ていないと公共工事の参加資格を喪失するので注意が必要です。

経営事項審査のしくみについては次回にて解説いたします。

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